2024年4月20日付の共同通信社が、

『自治体退職者10年で2倍 目立つ若手、待遇不満も』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、退職者が急増している理由を考察しました。

 

《記事の要約》

総務省の最新統計によると、教員や警察を除く一般行政職員の退職者数が急増しています。

2022年度に自己都合で辞職した職員は12,501人に上り、これは2013年度の5,727人から約2.2倍増加しています。

特に30代以下の若手職員が全退職者の約三分の二を占め、住民サービスの質の低下や組織の弱体化が懸念されています。

 

待遇の不満や業務量の増加が退職の主な理由とされており、若手職員の退職が顕著に増えています。

例えば、30歳未満の退職者は2013年度の1,570人から2022年度は4,244人へと約2.7倍増、30歳以上40歳未満も3.1倍に増加しています。

この傾向は、2020年の経済冷え込みを除いて一貫しており、2021年度には初めて退職者数が1万人を超えました。

 

この流れは、定年を迎えた国家公務員の中で5人に1人が経済的な困難を抱えている状況と重なり、自治体職員にとっても経済的な安定が以前ほど保証されない状況を示唆しています。地方公務員の仕事環境と退職状況に関する更なる詳細は、総務省の「地方公務員の退職状況等調査」で確認できます。

(記事の要約、ここまで)

 

《自治体職員を辞める人が急増している理由と対応策》

一般論になりますが、退職者急増の理由と対応策を考えてみます。

 

〈退職理由〉

1)待遇の不満:

給与や福利厚生の面での不満が増えている。特に低迷する地方経済の影響を受け、給料の増加が見込めないまたは減少する環境が問題となっています。


2)業務量の増加:

行政ニーズの多様化と複雑化により、職員一人あたりの負担が増大しています。特に人手不足が進む中での業務量増加は、職員にとって大きなストレス源となっています。


3)ワークライフバランスの欠如:

長時間労働や休日出勤が常態化しており、特に若手職員からの不満が高まっています。これが職場離れを招く一因となっています。

対策としては、以下のような点が考慮されるべきです:


〈対応策〉
1)待遇改善:

給与体系の見直しや福利厚生の充実を図ることで、職員のモチベーション維持と定着を促します。
 

2)業務効率化:

IT化の推進や業務プロセスの見直しにより、無駄な業務を削減し、職員の負担を軽減します。


3)働き方改革:

フレックスタイム制の導入やリモートワークの拡大を通じて、ワークライフバランスの向上を図ります。
これにより職場環境を改善し、特に若手職員の定着を促進します。

 

仕事柄、自治体を含め、全国各地の組織への訪問機会が多いですが、近年は、コロナ禍による在宅勤務の増加もあり、「働き方改革」について、意識的に取組んでいる組織が多いです。

今時代、組織が求人サイトやSNSを通じて「ブラック」とレッテルをはられてしまえば、大企業はともかく、中堅以下の企業に人材は集まりません。

 

また、官庁や自治体と関係のある組織経営者に会うと、「最近は、公務員の方がブラック」とおっしゃる方が多いです。

公務員も予算削減や働き方改革、メンタルヘルスなどの影響で、民間へ、週末に業務指示をすることはなくなりましたが、そのしわ寄せが役所業務に発生して、「ブラック化」しているという現状も一部にはあるようです。

公務員は、昔ほど、「経済的にも、精神的にも安定した職場」では、無くなってきているのかもしれません。

 

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