個人的には、環境マネジメントシステム(ISO14001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。

大昔は、サービス業における環境側面は、いわゆる事務所で生じる「紙ゴミ電気」系ばかり。

最近では、「環境側面」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。今回は、「旅行代理店」について、環境側面(できるだけ業種固有のもの)や法規制の事例を挙げてみたいと思います。

 

《健康保険組合における環境側面の事例》

・電気消費(オフィス機器、照明、冷暖房など)

・水の消費

・事務用紙の使用・オフィス機器の消耗品の使用(インクカートリッジ、トナーなど)

・オフィス廃棄物の生成

・電子データの保存と管理

・交通(スタッフの移動、出張など)

・オフィス用品の購入

・建物の維持と修理

・イベントやキャンペーンの開催

・情報提供のための印刷物の作成

・サービス提供に関連する消耗品の使用

・スタッフの研修や教育

・データセンターの運用

・サービス提供に関連する外部業者との協力

 

《有益な環境側面の事例》

1)デジタル化:

紙の使用を減少させるためのデジタル処理の導入。

2)再生可能エネルギー:

オフィスの電気供給として再生可能エネルギーの導入。

3)リサイクル:

事務用紙や消耗品のリサイクル活動。

4)環境教育:

スタッフへの環境に関する教育や研修。

5)エコフレンドリーなサプライヤの選択:

環境に配慮したサプライヤとの提携。

 

《健康保険組合に関連する環境法規制の事例》

◆廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法):

この法律は、廃棄物の適切な処理を確保することを目的としています。健康保険組合のオフィスで発生する廃棄物や、健康に関するキャンペーンやイベントで発生する廃棄物の処理に関連します。

 

◆省エネルギー法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律):

事業所のエネルギー消費量の削減を目的とした法律です。健康保険組合のオフィスや施設のエネルギー使用状況や、機器の選定、建物の設計などに関わる可能性があります。

 

◆グリーン購入法(環境に配慮した物品の調達の推進等に関する法律):

国や地方公共団体が環境に配慮した物品やサービスを優先的に購入することを奨励する法律。健康保険組合も、オフィス用品や機器、印刷物の購入時に環境に優しいものを選ぶ際の参考とすることができます。

 

◆化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法):

人々の健康や環境への影響を考慮して、化学物質の製造や輸入を規制する法律。健康保険組合が提供するサービスやキャンペーンに関連する物資の取り扱い時に、この法律に基づいた適切な対応が求められる可能性があります。

 

◆建築物の環境性能の向上の推進に関する法律:

建築物の環境負荷の低減を目的として、建築物のエネルギー消費の効率化やリサイクル対応の設計などを推進する法律。健康保険組合が新しい施設を建設する際や、既存の施設の改修時に考慮すべきポイントとして関わってくる可能性があります。

 

《健康保険組合の緊急事態の事例》

1)健康保険組合のオフィスや施設での大量の薬剤や医薬品の漏洩。

《対応手順》

・即時に関係者に報告し、緊急時の対応チームを結成。

・漏洩範囲を特定し、その周辺エリアを封鎖。

・専門的な廃棄物処理業者に連絡し、適切な処理を依頼。

・原因を調査し、再発防止策を策定。

 

2)保管されている個人情報や患者情報のデータベースが破損し、情報が外部に流出。

《対応手順》

・ITチームに状況を報告し、漏洩の範囲や原因を特定。

・該当するデータの利用者に流出を通知し、謝罪。

・必要な場合、外部のセキュリティ専門家に対策を相談。

・今後のデータ保護策を見直し、強化。

 

3)健康診断やイベントの際の医療廃棄物の不適切な処理。

《対応手順》

・廃棄物の状況を確認し、適切に分類。

・専門業者を通じて、適切に処理を行う。

・スタッフや関係者への教育を強化。

・チェック体制や監視体制を強化。

 

4)健康保険組合の施設での火災や大規模な水漏れ。

《対応手順》

・緊急時の避難指示を発令し、関係者の安全を確保。

・専門の業者や消防署へ報告。

・原因を特定し、修復作業を行う。

・再発防止策を策定し、スタッフへの教育を実施。

 

5)オフィスや施設のエアコン、暖房設備などの故障によるエネルギーの無駄遣い

《対応手順》

・設備のスイッチを切り、無駄なエネルギー消費を停止。

・専門業者に修理を依頼。

・設備の定期的なメンテナンスや点検を強化。

・省エネルギーのための取り組みや啓発活動を強化。

 

以上が、「健康保険組合」におけるISO14001に基づく環境側面、有益な環境側面、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。これらの事例は、具体的な対応策やプロセスを設定する際の参考として使用できます。

マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ870号より)


 

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