2024年4月4日付に、時事通信社が、

『「休日の業務連絡」対応する?しない?◇つながらない権利、日本で実現できるか』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

《記事の要約》
スマートフォンやチャットアプリの普及で、業務外時間にも簡単に連絡が取れる現代。仕事とプライベートの境界が曖昧になり、休日でも仕事の連絡に縛られる人々が増えています。
神奈川県の40代エンジニア男性は、週1~2回勤務外の連絡を受け、休日もスマホから離れられない苦悩を抱えています。
約3年前に導入されたチャットアプリが、気軽な連絡手段として利用される一方で、勤務時間外の連絡が増えたと感じています。連合の調査では、942人中72.4%が勤務時間外の業務連絡を経験しており、62.2%がそれにストレスを感じていることが明らかになりました。

 

労働安全衛生総合研究所の研究によれば、時間外連絡に対応した時間が長ければ長いほど、心理的に仕事から離れられず、深い睡眠が取れないことが示されています。
また、東京都江東区の設備工事会社「オーテック」中部支店では、社員のストレス軽減のため、平日に休む社員に顧客からの直接電話を自動転送する制度を導入しました。
これにより、代休中の社員も安心して休日を楽しむことができるようになりました。

 

日本では、2019年施行の「働き方改革関連法」により、時間外労働の上限規制が導入されましたが、勤務時間外の連絡問題は解決していません。
フランスでは、2016年に「つながらない権利」を労働法に明記しましたが、日本での一律の規制は難しいとされています。青山学院大法学部の細川良教授は、休息の質の確保には、企業のリーダーシップが期待されると指摘しています。
例えば、職場での連絡業務の見直しや、休日の連絡可能時間の設定などが、社員の休息の質を高める選択肢になり得るでしょう。
(要約、ここまで)

 

私が社会人になった頃は、個人向け携帯電話が普及し始めた頃で、通信手段の発達は、仕事がこれまでより便利、かつ、効率的になると期待していました。

しかし、以前は、プライベートな友人とのコミュニケーションツールだったSNSのメッセージ機能やLINEが、「仕事」でも活用されるようになり、仕事の連絡もしやすくなりました。

けれども、それは、プライベートと仕事の垣根がなくなったことで、「週末など業務がない日」も「仕事が頭から離れない」状況を作り出してしまいました。

 

私自身は、「先に先にと、仕事を先行してすすめたいタイプ」なのと「“私の回答や対応を待っている人がいる”という状況に退所したいタイプ」なので、仕事関係者には、「確認や対応は遅れるかもしれないけど、休みの日であっても、連絡はOK」と伝えています。

 

私自身は、仕事に意欲的な若いときは、「これができた」のですが、年齢とともに、辛くなってきました。

つまり、この状況は「24時間、仕事に追われている」感覚に陥りやすく、週末に、プライベートの用事を入れていたときは、外出先でも「仕事が気になって、友人との会話や旅行先でのまったりした気持ちが、急に上の空」になって、これが継続的に続くと、精神がしんどくなり、おかしくなっていくのです。

 

したがって、具体的な法制度化の中身はともかく、総論としては「つながらない制度」は、日本においても必要なのかもしれません。

ただし、基本的には、職場の文化や価値観を変えていくことも必要でしょう。要は、あるプロジェクトを行なう場合、関係者のコミュニケーションを密にして、互いの事情を理解しあい、配慮することです。

また、ある業務を「外注」(外部委託)に出す場合、外注先に対しても、同じような配慮をして、業務連絡ができるようにすることも重要でしょう。

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001