2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑先生は、「世界的科学誌のネイチャーやサイエンスに論文が掲載されていることを根拠に、科学的根拠を説明するが、その9割はウソ。10年経ったら残っているのは1割。だから、書いてあることを信じない。自分の目で確かめるまではやる。」と受賞後の記者会見で語りました。
つまり、生理学では、「科学誌に掲載されている論文の9割がウソで、10年後に残っているのは1割」という世界なのですが、その理由と、私たち一般人が、「科学的根拠」に騙されないために、心がける必要があること考察してみました。
《“論文の9割がウソで、10年後に残っているのは1割”の理由》
1)再現性の問題:
科学の研究結果は他の研究者によって再現可能であることが求められますが、実際には多くの研究が他の研究グループによって再現されていません。特定の環境や条件下での結果が、他の条件や方法で同じように再現されないことがしばしばあります。
2)出版の圧力:
科学者はキャリアを築くため、また研究資金を確保するために、論文を多く公表することが求められます。このようなプレッシャーが、研究結果の選択的な報告や、過度な解釈を生むことがある。
3)バイアス:
研究者の持つ期待や希望、または資金提供者の影響が結果にバイアスをもたらすことが考えられます。
4)統計的な誤り:
一部の研究は統計的手法の誤用や誤解により、誤った結論を導く可能性があります。
5)競争と新規性の追求:
「ネイチャー」や「サイエンス」などのトップジャーナルは新規性の高い研究を好むため、挑戦的な研究が採用されやすく、それが後に誤りであることが明らかになる場合がある。
《私たち一般人が、「科学的根拠」に騙されないために心がけること》
1)情報源を確認:
どこで、誰によって公表された情報なのかを確認し、その情報源が信頼性のあるものであるかを評価する。
2)複数の情報源を参照:
一つの研究結果だけでなく、複数の研究や情報源からの意見や結果を参照する。
3)専門家の意見を求める:
複雑な問題や分からない点があれば、その分野の専門家の意見や解説を参照する。
4)統計データの正確な解釈:
「統計的に有意」という表現やパーセンテージなどの数字に騙されないよう、その背後にある実際の数字や条件を理解する。
5)開かれた態度を持つ:
新しい情報や証拠が出てきた場合、柔軟に自分の考えを見直すことが重要です。科学は進化し続けるもので、新しい知識や証拠に基づいて更新されることが常です。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ873号より)
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