2024年3月23日付の読売新聞オンラインが、

『午後5時です退社してください…三井住友海上が全社員対象の経営目標、所属長らを通じて繰り返し促す方針』

と言う見出しの記事を報じていました。

以下にこの記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

三井住友海上火災保険は、2024年4月から社員の退勤時間を原則午後5時とする新方針を打ち出します。
この変更は、家事や育児、自己研鑽の時間を確保し、ワークライフバランスの実現を目指すためです。

約16,000人の全社員が対象で、企業として「午後5時退社」を経営目標に掲げるのは珍しい取り組みです。
新方針は、残業が多い現状を変え、社員の定着や優秀な人材の確保を図るためのものです。緊急時は柔軟な対応を取るものの、所属長を通じて退社時間の徹底を促します。

また、育休職場応援手当の導入など、働きやすい環境づくりにも力を入れています。損保業界全体でも働き方改革の動きが広がっており、他の保険会社も似たような取り組みを始めています。

(記事の要約、ここまで)

 

現代社会の価値観として「職場環境を働きやすいように整備する」いわゆる「働き方改革」に企業が取組むことは常識なので、三井住友海上が「残業が多い現状を変える」ために「退社時間の徹底」を経営目標とすることは、新経営方針を達成するための方法論としては、「あり」でしょう。

また、成果目標を計る指標として「午後5時退社」を設定することも理解できます。

 

ポイントは、この部門目標や管理職の「評価」を「午後5時退社の達成度」だけで、表面的に評価しないことでしょう。

当たり前ですが、目指すべきは「午後5時退社」を達成するためプロセス改善です。

つまり、例えば、

・各業務プロセスの改善

・各業務プロセスに必要な力量の教育促進

・部門業務量を実行するために適切な経営資源の配分

といった活動を一から洗い直すことが前提にあり、その評価指標の最終ゴールが「午後5時退社」なのです。

 

仮に、表面的に、「午後5時退社」を達成したとしても、それは、例えば、

・結局、仕事が終わらずに、持ち帰って仕事をする

・「気合いと根性」で「瞬間風速的」に達成しただけで、持続しない

・「結果」だけを取り繕っているだけで、中身は何も変わっていない

といったことになるのがオチでしょう。

 

大企業の三井住友海上ですから、私が「懸念」したような点は、もちろん、考慮や配慮した「目標管理」をされると思いますが、仮に、「結果の達成だけ見て、業務プロセス自体や経営資源配分が見直されていない」ようであれば、経営層は、しっかりと「何か目標達成した要因なのか」や「問題点(例:仕事を持ち帰るようになっただけ)は隠れていないか」といった点をチェックして、適切な経営目標の評価をしてももらいたいと思います。
 

 

 

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