個人的には、環境マネジメントシステム(ISO14001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。
大昔は、サービス業における環境側面は、いわゆる事務所で生じる「紙ゴミ電気」系ばかり。
最近では、「環境側面」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。今回は、「職業紹介・労働者派遣業」について、環境側面(できるだけ業種固有のもの)や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《職業紹介・労働者派遣業における環境側面の事例》
・オフィスにおけるエネルギー消費(照明、エアコン、コンピューターなど)
・紙の消費(契約書、紹介書類、広告資料など)
・オフィス機器やコンピューターの廃棄
・交通/移動(面接、営業活動、出張など)
・化学物質の使用(オフィス清掃剤)
・電子データの保管と管理
・建築物の維持と運用
・飲料水や食料の消費
・広告や宣伝材料の生成と配布
・通信インフラストラクチャの使用(インターネット、電話)
・オフィス用品の消費(文房具など)
・従業員の通勤
・イベントやセミナーの開催
・車両の使用とメンテナンス
・パートナー企業との連携時のリソース使用
《有益な環境側面の事例》
1)デジタル化:
契約書や紹介文書のデジタル化による紙の使用量の削減。
2)リモートワークやオンライン面接:
交通による環境負荷の削減。
3)エコフレンドリーなオフィス設計:
エネルギー効率の良い照明や設備の導入。
4)再生可能エネルギーの使用:
オフィスの電力供給として太陽光発電などの導入。
5)リサイクルオフィス用品:
再利用可能なオフィス用品の導入や使用済みのリサイクル。
《職業紹介・労働者派遣業に関連する環境法規制の事例》
職業紹介・労働者派遣業は、事務活動が主体なので、オフィスにおける「廃棄物処理法」や「消防法」など、一般的な事業者に適用される環境法規制以外には、殆どありません。
しかし、「労働環境」という観点も含めると、以下の法規制があります。
◆労働基準法:
労働時間、休日、休暇、労働者の健康及び安全に関する基準を定める法律。派遣先における労働環境も、この法律の基準に従わなければならない。
◆雇用の均等機会及び待遇の公平法(男女雇用機会均等法):
男女の雇用に関する機会の均等と待遇の公平を確保することを目的とする法律。派遣労働者にも適用される。
◆労働者派遣事業法:
労働者の派遣に関する基準や派遣先の責任等を定める法律。派遣先が適切な労働環境を提供する義務を持つ。
◆働き方改革関連法:
長時間労働の是正、多様な働き方の確保等を目的とした法律。派遣労働者もこの法律の対象となり、過労等の防止が図られる。
◆労働安全衛生法:
労働者の健康と安全を確保するための基準や措置を定める法律。派遣先における労働環境の安全性も、この法律の基準に基づいて確保されるべきである。
《職業紹介・労働者派遣業の緊急事態の事例》
◆電子データの喪失:
サーバー障害やハッキング。対応としてデータのバックアップとリカバリー。
◆オフィス内の化学物質の漏洩:
清掃剤などの漏洩。対応として漏洩箇所の修復、通風の確保。
◆エネルギー供給の停止:
天候などでの停電。対応として非常用電源の利用。
◆交通関連の緊急事態:
営業車両の事故。対応として事故時の対応手順の確立。
◆オフィス施設の破損:
地震や火災によるダメージ。対応として適切な保険の加入と復旧計画の策定。
以上が、「職業紹介・労働者派遣業」におけるISO14001に基づく環境側面、有益な環境側面、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。これらの事例は、具体的な対応策やプロセスを設定する際の参考として使用できます。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ868号より)
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