2024年3月4日付の熊本日日新聞が、

『農地に海水流入 熊本県天草市 田んぼや果樹園19ヘクタールに被害 樋門工事業者ミス』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、問題の原因を考察しました。

 

《記事の要約》

2024年3月4日に熊本県天草市河浦町で発生した樋門修繕工事の作業ミスにより、約19ヘクタールの農地に海水が流入した事故が明らかになった。

熊本県が発注したこの工事で、熊本市の業者が樋門の水密ゴム交換作業中に扉を陸上に放置し、完全な閉鎖を行わなかった結果、満潮時に農地へ海水が逆流。このミスにより、田んぼや果樹園が塩水で浸水し、地元農家は大きな打撃を受けた。

 

熊本県は事故発生後、扉の仮設置による応急対策を施し、新たな被害は防がれたものの、農家らはすでに高まっている土壌の塩分濃度や作物の生育不良に懸念を表明している。

農家たちは「微生物が死んで土を作り直すのに数年かかるだろう」「4年かけて育てた苗木が全て無駄になった」と述べ、未来の営農に対する不安を訴えている。

 

熊本県は農家たちに謝罪し、塩害の被害状況を聞き取り、天草市と協力して詳細な被害調査を行うとしている。

また、地元公民館で説明会を実施する予定であり、地元農家からはミスへの怒りと今後の対策や補償への不安が強く表明されている。この事故は、農業に対する深刻な影響をもたらし、熊本県の迅速な対応と長期的な復旧策が求められている。

(要約、ここまで)

 

《この問題の考察》

「樋門修繕工事業者が、海水を農地に流入させてしまった推定原因」と「熊本県の責任と問題点」について、考察します。

 

〈業者の問題の原因〉

業者が起こした問題の推定原因は、熊本市の工事業者が扉の水密ゴムを交換する工事中に、作業が完了せずに扉を外したまま陸上に放置したため、排水路を逆流した海水が農地に流入したとみられます。

業者は、別の業者が樋門付近に置いていた大型の土のうが水の浸入を防ぐと判断し、この安全策が十分であると誤って考えたことが、この事態を引き起こした推定原因とされています。

しかし、この判断が誤りであったことから、満潮時に農地に海水が流れ込んだとされています。

 

〈熊本県の責任と問題点〉

熊本県には、工事業者の説明を盲信せず、より慎重な検証と確認を行う責任がありました。工事におけるリスク管理の一環として、県は工事の進行状況を定期的に確認し、特に重要な樋門のようなインフラ作業においては、扉の取り扱いや暫定的な安全対策が適切に行われているかを厳しく監督すべきでした。

また、工事業者からの説明や安全対策が十分であるとの報告を受けた際には、独自に専門家による評価や第三者の意見を求めるなどして、その信憑性を確認する措置を講じる必要がありました。この事故を防ぐためには、県がより積極的に情報を求め、疑問点に対しては追及し、必要な場合には独自の調査や監視を行うことが求められていたと言えます。

 

個人的には、熊本県と工事を受注した業者との契約書で、このような「工事に関する農地への影響」について、どのような取り決めがあったのか、気になります。

農地所有者や利用者からすれば、「業者でも熊本県でもいいから、この農作物への影響を、しっかりと補償してください」という気持ちでしょう。

第三者的には、なぜ、このような問題が発生したのか、しっかり、原因を究明し、今後の公共発注工事のリスク想定と再発防止に役立ててほしいものだと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ897号より)

 

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