個人的には、環境マネジメントシステム(ISO14001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。
大昔は、サービス業における環境側面は、いわゆる事務所で生じる「紙ゴミ電気」系ばかり。
最近では、「環境側面」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。今回は、「フィットネスクラブ」について、環境側面(できるだけ業種固有のもの)や法規制の事例を挙げてみたいと思います。
《フィットネスクラブにおける環境側面の事例》
・エネルギー消費(エアコン、トレーニングマシン、照明など)
・水の消費(シャワー、プール、清掃など)
・化学物質の使用(清掃剤、プールの塩素など)
・廃棄物の生成(飲料の容器、清掃用品、オフィス用品など)
・騒音(音楽、トレーニング機器など)
・建築やリフォーム時の資源消費
・運輸(スタッフの通勤、商品の運搬など)
・電子機器の使用と廃棄(エントリーシステム、トレーニングマシンの電子部品など)
・空調システムの冷媒使用
・会員や従業員からのゴミ生成
・タオルやウェアの洗濯による水とエネルギーの消費
・壁や床の材料からの揮発性有機化合物(VOC)の放出
・スナックやドリンク販売による包装廃棄物
・トレーニングスペースのエアクオリティ
・駐車場の照明や排水
《有益な環境側面の事例》
1)再生可能エネルギーの利用:
ソーラーパネルや風力発電などを用いてエネルギー消費を削減。
2)エネルギー効率の良い機器:
最新の省エネルギー機器の使用によりエネルギー消費を削減。
3)再利用可能なタオルやウェア:
タオルやウェアを再利用することで廃棄物を減少させる。
4)エコフレンドリーな清掃剤:
環境に優しい清掃剤を使用し、化学物質の影響を削減。
5)デジタルメンバーシップカード:
プラスチックカードの代わりにデジタルカードを使用し、プラスチック廃棄物を削減。
《フィットネスクラブに関連する法規制の事例》
◆廃棄物処理法:
廃棄物の適切な排出、分別、収集、運搬、再利用、処分に関する法規制に準拠する必要がある。
◆水質汚濁防止法:
プールの水質管理や清掃の際の排水の法規制。
◆騒音規制法:
音楽や機器の使用による騒音の法規制。
◆建築基準法:
フィットネスクラブの建設やリフォームに関する法規制。。
◆エネルギーの使用の合理化等に関する法律:
エネルギーの消費に関する法規制に準拠する必要がある。
《フィットネスクラブの緊急事態の事例》
◆化学物質の漏洩:
プールの塩素などの漏洩。対応として漏洩部分の修復、通風の確保、関連部門への通報。
◆エネルギー供給の停止:
天災などでのエネルギー供給の停止。対応として非常用電源の利用、適切な避難手順の確立。
◆大量のゴミ発生:
イベント等での一時的な大量ゴミ。対応として事前のゴミ分別の確立、廃棄物業者との連携。
◆空調システムのトラブル:
冷媒の漏洩や空調停止。対応として漏洩箇所の修復、通風の確保、関連部門への通報。
◆水道水の大量使用や漏洩:
シャワーの故障やプールの漏洩。対応として修復、水使用を最小限に抑える通知、関連部門への通報。
以上が、「フィットネスクラブ」におけるISO14001に基づく環境側面、有益な環境側面、法的及びその他の要求事項、緊急事態の想定と対応手順に関する一部の事例です。これらの事例は、具体的な対応策やプロセスを設定する際の参考として使用できます。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ867号より)
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