2024年3月4日付けのデイリースポーツが、

『マラソン川内優輝のヤフコメ見解に納得の声多数 不安定なペースメーカーとは「コミュニケーションを取ることも大切」』

という見出しの記事を掲載していました。

この記事について要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

2024年8月のパリ五輪代表選考を兼ねた東京マラソンで、ペースメーカーの不安定な動きが議論の中心となりました。

この問題に対し、マラソン完走134回を誇るプロランナー川内優輝がYahoo!ニュースに投稿したコメントが注目を集め、23,000以上の「参考になった」を獲得しました。

川内選手は、ペースメーカーも人間であること、選手とのコミュニケーションの重要性を強調しました。

つまり川内選手は、ペースメーカーが予定通りに走らない場合の適応能力を選手が持つべきだと主張し、そのためには「Good!」や「Pace up!」といった声掛けが有効であると述べました。また、今回の東京マラソンのペースメーカーについては、設定より遅かったものの、五輪内定基準タイムぴったりで中間点を通過しているとして、海外のレースと比較しても「Better」の範囲内と評価しました。川内の見解は、彼の豊富な経験に基づいたもので、SNS上で多くの共感を呼び、マラソン競技への深い洞察を提供しています。

川内自身も過去にペースメーカーを務めた経験があり、その言葉には説得力があると評価されています。

(要約、ここまで)

 

私も、この東京マラソンは、何度か(たぶん、6回)走ったことがあるので、分かりますが、気象条件が良ければ、走りやすいコースです。

特に、1週前の大阪マラソンで、初マラソンの國學院大學3年の平林清澄選手が、日本歴代7位となる2時間06分18秒で、学生日本記録(2時間07分47秒)&初マラソン日本記録(2時間06分45秒)を更新し、パリ五輪代表の小山直城選手が2時間6分33秒、吉田祐也選手が2時間6分37秒と、後半は冷たい雨が降り、向かい風のコンディションで好タイムを出していたので、今回の東京マラソンでは、「男子も女子の新谷仁美選手も日本最高記録が出る可能性が高いぞ」と期待していました。

 

しかし、レース結果は、ご承知の通り、男子は、設定タイムの2時間5分50秒を切る選手はおらず、女子の新谷選手も15キロ時点で、日本記録より30秒ほどタイムが遅く、「終了」となったので、記録更新を期待した視聴者から「ペースメーカーが機能していない・・・」と恨み節の声が上がるのは、当然だと、私は思います。

 

ただ、この「恨み節」は、視聴者の「記録に対する期待目線」であって、「ペースメーカーがいるレースに参加する選手目線」だと、川内選手の意見に私も賛成です。

日本人選手は、きっちりと一定ペースで、集団でトラックを周回するトレーニングなどに慣れていますが、海外選手のペースメーカーは「5キロ毎に設定を守れば良い」という考えの人もいるようで、解説の元日本記録保持者で駒澤大学陸上競技部監督の藤田敦史さんもおっしゃっていましたが、今回の男子ペーサーは、1キロ毎の上げ下げが結構あり、鈴木健吾選手は、明らかに、イライラした雰囲気が画面から伝わってきました。

 

また、ペースメーカーが、給水箇所で立ち止まってボトルを探す選手もいて、レースでは主役の選手が、それをよけるため、余計な体力を使っていたのも素人目に分かりました。

つまり、川内さんがおっしゃるように、「世界標準」では、「選手ファースト」のペースメーカーばかりではなく、「当たり外れがある」のがペースメーカーで、選手が、ペースメーカーとコミュニケーションをとり、あらゆる状況を想定して、それを考慮して、レースを戦うのが、「どんなレース展開になっても勝てる強い選手」だということでしょう。

 

ただ、「大会運営サイド」は、今回のペースメーカーについては、反省点が多いのも事実だと思います。

東京マラソンでは、「第1集団がキロ2分52秒」、「第2集団が日本新ペースとなるキロ2分57秒」で設定されていたそうですが、第1集団のペースメーカーは、予定の30キロまで、引っ張ることができませんでした。

また、新谷仁美選手は、自己ベストを出した時のペースメーカー(新田良太郎選手)が、あまりにも正確で、着実に設定通りのペースを守って走ったので、今回も、「ストレスを感じないように、ペースメーカーを信じて、ひたすら付いていって、(横田コーチから声を掛けられる)ハーフ手前まで、全く時計を見なかった」そうです。

これは、ペースメーカーはあくまでも目安で、選手は自分で状況判断すべきで、新谷選手のミスでしょう。

 

しかし、「ペースメーカーも生身の人間だから仕方が無い」は、結果論であって、大会運営側がそれを言っては、「大会運営の質」は「向上することはない」のです。

私自身は、昔で言えば、1987年12月6日の第41回福岡国際マラソン(14キロで全選手を振り切り、ハーフ通過が1時間1分55秒)の中山竹通選手の大逃げ、2023年10月15日のMGCの川内優輝選手の35キロまでの大逃げ、2024年1月28日の大阪国際女子マラソンで21キロ過ぎにペースメーカーの前に出た前田穂南選手の走りのような「予定調和じゃないマラソン」が、ワクワクして好きです。

けれども、「牽制し合ってタイムが最初から期待できない」レースもおもしろくないので、テレビ中継される大会では、ペースメーカーの役割は重要なので、大会運営側には、今回、ペースメーカーが、計画通りに機能しなかった原因と対策(ペースメーカーの選定方法、バックアップ対策等)をしっかり検証してもらいたいと思います。

 

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