2024年3月1日付の「ねとらば」が、

『薬剤師は「医者憧れ」「そいつが見たって薬変わらへん」 バラエティー出演芸人の発言に批判殺到 かまいたち濱家らが相次ぎ謝罪』

という見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、「服薬指導」とは何かを解説したいと思います。

 

《記事の要約》

 

2024年2月28日放送のトークバラエティ番組「これ余談なんですけど…」で、お笑いコンビ「かまいたち」の濱家隆一さんと馬場園梓さんが薬剤師に関する発言で批判を浴び、SNSで謝罪しました。

番組内で、関西人の“イライラする瞬間”として、薬剤師が処方箋提出時に行う問診について不満を述べたことが発端です。

濱家さんと馬場園さんは、薬剤師が医師と同じ問診をすることや、服薬指導を行うことに対して不要との見解を示しましたが、これが批判を引き起こしました。

 

薬剤師による問診や服薬指導は、薬剤師法で定められた義務であり、誤った処方内容を防ぐための重要な手続きであることが指摘されました。

ネット上では、薬剤師の業務を理解していないとする批判が多数寄せられ、薬剤師の仕事の重要性や疑義照会の必要性についての議論が広がりました。

 

馬場園さんは、自身の無知を認めて薬剤師に対して謝罪し、「アホですいません!」とコメントしました。

濱家さんも、自分の発言が考えなしであったことを認め、薬剤師に対して謝罪の意を表明しました。

この一連の出来事は、医療分野における専門職の重要性と、公の場での発言の影響力について改めて考えさせられるものとなりました。

(要約ここまで)

 

《服薬指導とはどのようなものか》

「薬剤師法」における「服薬指導」は、薬剤師が患者に対して医薬品の適切な使用方法や注意点を説明し、薬の効果を最大限に引き出し、副作用や誤用を防ぐために行われます。

この指導は、患者の安全と薬物療法の有効性を確保するための重要な業務であり、薬剤師の専門性を活かした医療の質の向上に寄与しています。

 

服薬指導の具体的な効果としては、以下の点が挙げられます。

 

1)薬物治療の理解の促進:
薬剤師は、患者に対して処方された薬の作用機序や目的、副作用のリスクなどを詳細に説明します。これにより、患者は自身の治療に対する理解を深め、薬剤への信頼感を高めることができます。

 

2)副作用の早期発見と対処:
服薬指導を通じて、患者は副作用の初期症状を認識しやすくなります。また、副作用が発生した場合の対処法をあらかじめ知ることができるため、重大な健康被害を防ぐことが可能になります。

 

3)誤用・乱用の防止:
薬剤師による指導は、薬の誤った使用方法や相互作用による危険を減少させます。患者が薬を正しく使用することで、治療効果の最適化と安全性の向上が期待できます。

 

4)患者の自己管理能力の向上:
薬剤師から提供される情報とサポートにより、患者は自身の健康管理や薬物治療に対する自己責任を意識するようになります。これにより、長期的な健康維持や生活の質の向上が図れます。

 

5)医療チームとの連携強化:
服薬指導は、薬剤師が医師や看護師と情報を共有し、患者にとって最適な薬物療法を提供するための協力体制を築く機会を提供します。これにより、多職種間での連携が強化され、患者中心の包括的な医療提供が可能になります。

 

このように、服薬指導は、患者の安全を守り、薬物治療の有効性を高めるための重要なプロセスです。薬剤師による専門的な知識とコミュニケーション能力が、患者の健康維持と疾病治療の成功に大きく貢献しているのです。

《個人的な経験に基づく余談》

このトーク番組での発言を具体的に振り返ってみます。

 

〈山内さん〉

「いや(薬剤師には)関係ないやん」

「さっさと薬を渡してもらって帰りたいのに」

「あれ全然いらん時間やと思っちゃって」

 

〈馬場園さん〉

「だってそいつ(薬剤師が)見たって薬変わらへんからな」

 

〈濱家さん〉

(山内さんに同意しながら)「薬剤師さんも医療に携わってるから、“医者憧れ”みたいなのがある」

 

山内さんと馬場園さんの発言は、

・薬剤師は、医師の処方にしたがっているだけ

・薬剤師が、医師の処方に疑義を呈することはできない

という認識なので、明らかに、あやまりです。

濱家さんは、トークの流れに沿ったものなので、仕方が無いですが、「服薬指導」についての知識があれば、山内さんと馬場園さんの発言に「ツッコミ」ができたでしょう。

 

ただ、私も含めて、日本人の多くの認識は、「調剤薬局の役割」や「薬剤師になった人の背景」について、このような不理解や想像をしているのではないかと思います。

私の中学や高校の同級生に薬剤師になった知人が何人かいますが、「医学部」や「国立難関大学の理学部」を目指していたが、合格が叶わず、「薬学部に進学」というケースが殆どです。

しかし、こうして、バラエティ番組の発言がニュースになることで、薬剤師や服薬指導の認識や理解が正され、より深くなるので、トータルで考えると、この番組での芸人の発言は、よかったのではないかと思います。
 

 

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