個人的には、品質マネジメントシステム(ISO9001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。
ISO9002が規格としてあった大昔は、サービス業においては、「設計開発のないISO9002」を選択する組織ばかりでした。
ISO9001になってからもしばらくは、「適用除外(適用不可能)」ばかり。
最近では、「サービス業における設計・開発」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。
今回は、「博物館・美術館」についての「製品・サービスにおける設計・開発」の事例を挙げてみたいと思います。
博物館や美術館では、展示物の選定、展示方法の設計、訪問者向けの教育プログラムの開発などが、ISO9001の「製品及びサービスの設計・開発」に該当する活動となります。
以下に具体的な例を15個挙げてみます。
1)常設展示の開発:
訪問者が博物館や美術館のコレクションを理解できるような常設展示を設計・開発します。
2)企画展示の開発:
特定のテーマやアーティストに焦点を当てた企画展示を設計・開発します。
3)教育プログラムの設計:
学校の教育カリキュラムに合わせた教育プログラムを設計・開発します。
4)ワークショップの設計:
訪問者が芸術や歴史に直接触れる機会を提供するワークショップを設計・開発します。
5)ガイドツアーの設計:
訪問者が展示物を深く理解するためのガイドツアーを設計・開発します。
6)視覚障害者や聴覚障害者向けのサービスの開発:
障害を持つ訪問者でも展示物を楽しめるようなアクセシビリティを考慮したサービスを設計・開発します。
7)子供向けの展示の開発:
子供が楽しみながら学べる展示を設計・開発します。
8)デジタル展示の開発:
デジタル技術を活用した展示を設計・開発します。
9)音声ガイドの開発:
展示物の解説を提供する音声ガイドを設計・開発します。
10)オンラインコンテンツの開発:
ウェブサイトやソーシャルメディアで提供するオンラインコンテンツを設計・開発します。
11)ミュージアムショップの商品開発:
展示に関連した商品を設計・開発します。
12)イベントの開発:
特定のテーマや時期に合わせたイベントを設計・開発します。
13)VR/AR体験の開発:
VR/AR技術を活用した体験型展示を設計・開発します。
14)展示解説パネルの設計:
展示物の理解を深めるための展示解説パネルを設計・開発します。
15)メンバーシッププログラムの開発:
常連訪問者向けの特典を提供するメンバーシッププログラムを設計・開発します。
これらの活動はすべて、ISO9001の製品及びサービスの設計・開発の要求事項に基づいています。設計・開発のプロセスは訪問者のニーズと期待を満たすことを目指し、博物館や美術館のミッションと戦略的な目標に合致しています。
以上が「博物館・美術館」に関する「製品・サービスの設計・開発」の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ866号より)
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