個人的には、品質マネジメントシステム(ISO9001)の審査やコンサルティングに関わるようになって、久しい。
ISO9002が規格としてあった大昔は、サービス業においては、「設計開発のないISO9002」を選択する組織ばかりでした。
ISO9001になってからもしばらくは、「適用除外(適用不可能)」ばかり。
最近では、「サービス業における設計・開発」の考え方が世の中に浸透し、そのようなケースは少なくなりました。
今回は、「研究機関(農業試験場)」についての「製品・サービスにおける設計・開発」の事例を挙げてみたいと思います。
「研究機関(農業試験場)」における「製品及びサービスの設計・開発」の15個の事例を以下に示します。
◆新種の農作物の開発:
これは、既存の品種を改良したり、新たな品種を生み出す作業を指します。
品種改良の目的は、抵抗性、収量、栄養価を改善したり、特定の気候や土壌条件に適応する品種を作り出すことです。
◆害虫管理のための新しい手法の開発:
化学的な農薬に頼らずに、生物学的な手法や自然の防御機制を利用した新たな害虫管理の方法を開発します。
これには、特定の害虫に対する天敵を導入する方法などが含まれます。
◆農業技術の改善:
収穫方法、栽培管理、土壌管理など、あらゆる農業作業をより効率的かつ生産的に行うための新たな技術や道具を開発します。
◆土壌試験サービスの開発:
農家が自身の土壌の状態を把握し、必要な施肥や改良策を講じるための土壌分析サービスを提供します。
これは、農作物の生産性と品質を最大化するための重要な手段です。
◆農作物の収穫と保存の新手法:
農作物の収穫後の品質を維持し、食品ロスを防ぐための新たな収穫方法や保存技術を開発します。
◆スマート農業ソリューションの開発:
農作物の健康状態や成長をリアルタイムで監視するためのICTベースのソリューションを開発します。これには、遠隔センシング、人工知能、機械学習などの技術が利用されます。
◆農業教育プログラムの開発:
新たな農業技術や管理手法を農家や学生に教えるための教育プログラムを設計します。これには、ワークショップやトレーニングコース、オンライン学習プラットフォームの開発などが含まれます。
◆畜産技術の開発:
動物の健康管理、飼料の改良、繁殖技術など、畜産業の生産性と持続可能性を向上させる新たな技術を開発します。
◆環境負荷が低い農業方法の開発:
農業が環境に与える影響を最小限に抑えるための新たな農業方法を設計します。
これには、有機農業、減農薬農業、環境保全型農業などが含まれます。
◆農作物の品質試験サービスの開発:
農作物の品質や安全性を評価するための新たな試験方法や標準を設定します。
これには、病害虫の検出、残留農薬の分析、栄養成分の分析などが含まれます。
◆気候変動に対する対策の開発:
気候変動の影響に対応し、農作物の生産性を維持するための新たな対策を開発します。
これには、耐熱性や耐乾性のある新品種の開発、灌漑システムの改善などが含まれます。
◆農産物加工技術の開発:
新たな食品製品を生み出すための農産物加工技術を開発します。これには、新たな食品加工技術や保存技術の開発が含まれます。
◆水利施設や灌漑システムの改善:
農作物の成長に最適な水供給を確保するための新たな灌漑システムや水利施設を設計します。
◆農業政策の評価と改善提案:
既存の農業政策を評価し、その効果を最大化するための改善案を提案します。
◆農業コンサルティングサービスの開発:
新しい農業技術や方法を広く普及させ、農家の成功をサポートするためのコンサルティングサービスを提供します。
これは、農業のプロフェッショナルが農家や地域の農業組織に対してアドバイスやトレーニングを提供することを含みます。
これらの例は、「製品及びサービスの設計・開発」のプロセスがISO9001の要求事項に基づいて行われることを示しています。それぞれの例では、製品やサービスの開発は顧客のニーズと期待を満たすため、また組織の戦略的な目標と一致するように設計されています。
また、新製品やサービスの開発は、適切なリソースの確保、スケジュールの計画、品質管理とリスク管理の手順の設定、そして成果の評価と改善のためのメカニズムを含む、厳格なプロジェクト管理フレームワークの下で行われます。これらはすべて、ISO9001の要求事項に準拠しています。
以上が「研究機関(農業試験場)」に関する「製品・サービスの設計・開発」の事例です。
マネジメントシステム構築や審査、指導の際の参考になれば幸いです。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ864号より)
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