2024年2月17日付の日刊ゲンダイDigitalが、

『理系卒社長が切り込む「花王」の聖域なき改革…看板商品ヘルシアもキリンに売却』

と言う見出しの記事を報じていました。

以下に、この記事を要約し、考察しました。

 

《日刊ゲンダイDigitalの記事の要約》

花王は2024年2月1日、自社の看板商品である茶飲料「ヘルシア」のブランドと製造方法の知的財産権をキリンビバレッジに売却すると発表しました。

この売却は、特定保健用食品と機能性表示食品の許可や届け出に関わる書類も含まれており、キリンビバレッジは2024年8月から「ヘルシア」ブランドで5つの製品の製造や販売を始める予定です。

「ヘルシア」は2003年の発売以来、清涼飲料として初の特定保健用食品(トクホ)となり、累計31億本を売り上げました。しかし、競合商品の増加と国内緑茶市場のシェア減少、花王グループ全体の連結減益が続くなどの苦境を背景に、「ヘルシア」の売却が決定されました。

 

この戦略は、2021年1月に社長に就任した長谷部佳宏氏による「選択と集中」の一環として位置づけられています。長谷部氏は、理系のバックグラウンドを持ち、多岐にわたる研究開発職を歴任した後、花王の経営陣として、中国市場での競争力低下などを受けての事業の統廃合や構造改革を推進しています。これらの改革は、強くてしなやかな新生花王を目指す経営ビジョンのもと行われており、従業員の早期退職勧奨や転職支援なども含まれています。

 

一方で、花王はキリンとの間で健康飲料に関する共同研究を継続しており、この売却が今後の事業展開にどのような影響をもたらすか注目されます。理系出身の長谷部社長による理詰めの改革が、花王の未来をどのように変えていくのか、その成果が期待されています。

(要約、ここまで)

 

《花王の営業利益》

この記事を読んで、色々と調べてみましたが、花王の売上規模は、約1兆5000億前後で推移しているものの、営業利益は、2020年度から4期連続減益、2019年度に2117億円あった営業利益は、2022年度に1100億円、2023年度は、約600億円に縮小しています。

営業利益の減少要因としては、「原材料高騰による衣料用洗剤の採算悪化」、「早期退職による人件費計上」、「紙おむつメリーズの中国生産撤退による利益減少」などが考えられます。

記事にあるように、こうした会社全体の構造改革の一環として、飲料事業の「ヘルシア」をキリンビバレッジに売却した戦略と考えられますが、月並みですが、効率化を図るだけでは、成長は望めないので、魅力的な製品開発にも当然、力を入れなければならないでしょう。

 

《ヘルシアについて》

ヘルシアは、2003年に発売し、2023年までに、約31億本を売り上げ、発売開始した2003年度は約200億円、ピーク時は約300億円の売上があったそうですが、近年は数十億円に減少し、国内緑茶市場のシェアもピーク時の5%台から2023年は1%未満と落ち込んでいたそうです。

低迷の原因としては、「トクホより認定のハードルが低い機能性表示食品ができた」(ライバル商品が増えた)、「ヘルシアの味が苦手」、「コンビニやスーパーで見かけなくなった」(営業力が弱い)といった理由が考えられます。

キリンビバレッジに売却したことで、全国津々浦々にあるキリンビバレッジの自動販売機やコンビニやスーパーの棚にヘルシアがラインナップされれば、消費者の目に留まる機会は増えるので、ある程度の売上アップは、期待できると思います。

個人的には、コンビニで容易に購入できた時代は、ヘルシアの購入回数が月に3~4回ありましたが、「そういえば、最近見かけないから買わないなぁ」という感じです。

 

記事では、2024年8月以降は、キリンビバレッジでの製造販売が開始とのことなので、コンビニで見かける機会が増えることに期待したいです。

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001