若干、今さら感がありますが、備忘録的に、食品安全マネジメントシステム(FSSC2000(Ver.6))の認定移行要領についての記事を上げておきます。


ご承知の通り、認定機関(JAB、UKAS、RvA、ANABなど)から「FSSC 22000

認証に関する認定を受けている認証機関」は、FSSC2000 Ver.5.1認定からFSSC2000 Ver.6の認定へ移行する必要が生じました。

 

以下に、「FSSC 22000 Version 5.1からFSSC 22000 Version 6」への重要な変更点と「移行審査のポイント」を纏めてみました。

 

《FSSC 22000 Version 5.1からFSSC 22000 Version 6への主な重要な変更点》

1)フードチェーンカテゴリー:

FSSC 22000 第6版では、フードチェーンカテゴリーが変更され、新たにBIII(植物製品の前処理)とC0(動物の一次変換)の2つのカテゴリーが導入されました。また、ペットフード製造のカテゴリーは改訂されて削除され、ペットフードはカテゴリーCとDに分類されることになりました。さらに、輸送はカテゴリーGに統合され、EコマースはカテゴリーFIに含まれるようになりました。

 

2)追加要求事項:

FSSC 22000 第6版では、追加の要求事項が導入され、包装表示の妥当性・検証、リサイクル材料の使用基準、詳細なアレルゲン管理、環境モニタリング、品質管理、新機器の購入・設置、食品廃棄物の取り扱いなどの項目が含まれます。

 

3)審査時間:

ISO 22003-1の変更と新たな要求事項の導入により、FSSC 22000の審査時間の見直しが必要となりました。多くの組織では審査時間が増加する一方で、マネジメントシステムや食品安全システムとの統合審査を受ける組織では、審査時間の短縮が可能になるかもしれません。

 

4)重大な不適合のフォローアップ:

FSSC 22000 第6版では、重大な不適合について、審査最終日から28日以内に認証機関による是正完了の確認が求められます。是正処置が不可能な場合は、リスク軽減のための一時的な措置や管理を含む是正処置計画(CAP)が必要とされ、恒久的な是正処置の実施とその効果を検証するための時間枠についても、認証機関と組織が合意を必要とします。

 

5)追加の審査書類と認証登録証:

FSSC 22000 第6版では、出欠簿への記入が組織の代表者と審査員に求められます。この書類には、審査の開始時刻、終了時刻、休憩時間が記載されます。また、全ての審査で組織の上層部の代表者が完全性宣言書に署名することも求められます。認証を受けた組織には認証登録証が提示され、その認証登録証にはQRコードが印刷されます。

(重要な変更の纏め、ここまで)

 

《移行審査のポイント》

1)移行手順:

認証機関は次の要領で移行審査を受けなければならない。

1-1)移行期限:

Ver.5.1の移行期限は2024年3月31日。この日までに新基準に基づく認定の決定がなされなければならない。移行が終わらない場合、認定は取り消される。旧基準に基づく認定は2024年4月1日以降無効となる。

1-2)移行審査の時期:

移行審査の開始の通知は2023年8月31日までにJABに通知しなければならない。JABは2023年9月1日から10月31日の間に移行関連文書の提出を受け付け、受付が完了した認証機関から順次審査を開始する。

 

2)移行関連文書の提出: 移行審査申請時には以下の文書を提出すること。

・最低限、新基準の変更に加え、ISO/TS 22003:2013からISO 22003-1:2022への変更を網羅する差分分析資料

・認証機関の移行または実施計画資料

・新基準の要求事項が認証機関のマネジメントシステムに反映されていることを示す文書または記録

・認証の移行計画

 

3)移行審査:

・文書レビューで、システム文書変更状況を確認する

(追加で事務所審査を実施する場合がある)

・標準審査工数:文書レビューは4.0人日で実施する

・移行審査報告:移行審査報告はJAB 200 の6.8 に準じて行う

・不適合処置:JAB 200の6.9及び11に定める手順にて取り扱う

・認定の移行に関する決定及び認定の授与:

 認定委員会が移行審査の結果に基づいて行う。また、JABは認定委員会の決定を 

認証機関に通知し、新基準Part 5(第2.2.2項及び付属書4)を満たす内容で認定

証の改訂を行う。

 

4)認定移行後の対応:

認定移行後、新基準に基づく運用状況を確認可能な定期審査(事務所審査)で運用状況を確認する。

 

5)新たに認定を申請する認証機関:

要領書発行後のFSSC 22000に関する初回及び拡大認定申請の受付は、新基準に基づくもののみとする。新基準に基づく組織審査立会は2024年4月1日以降でなければ実施できない。

(移行のポイント、ここまで)

 

以上が、FSSC 22000 Version 5.1からFSSC 22000 Version 6の主な変更点と移行審査のポイントです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ877号より)
 

 

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