2024年1月27日付の朝日新聞Digitalが、

「デンソー製燃料ポンプ、金型変更で不具合か リコールは430万台に」

という見出しの記事を報じていました。

この記事を要約し、考察しました。

 

《記事の要約》

2024年1月27日に朝日新聞Digitalで報じられた内容によると、自動車部品大手デンソー製の燃料ポンプに起因する大規模なリコール問題が発生しています。
この問題は、燃料ポンプの一部である「インペラ」と呼ばれる樹脂製の羽根車の製造に関する変更が原因で、その変更により樹脂の密度が低下し、不具合が引き起こされたとされています。

 

このリコールは2020年3月から始まり、2024年1月26日時点で、自動車メーカー4社と二輪車メーカー2社が合計約48万台を国土交通省に届け出たことが確認されています。
これにより、10社が25回にわたり国内で累計約430万台のリコールを行っています。

 

デンソーおよび関連会社によると、インペラを作る金型の変更が原因で密度が低い樹脂が生産されたとのことです。
ホンダによる分析では、密度の低いインペラが長期間保管されることで表面が乾燥し、収縮して細かな亀裂が発生したとされています。これが不具合の原因となり、リコール対象車両に影響を及ぼしました。

 

国土交通省の説明では、密度が低いインペラが燃料に浸かることで膨張し、ポンプケースと接触して回転できなくなる可能性があり、その結果、エンジンに燃料が供給されずエンストするリスクがあるとのことです。
デンソーでは複数の要因についてさらに調査を進めています。

(記事の要約、ここまで)

 

記事によると、不具合の要因のひとつとして「インペラ(燃料部品の一部)の金型変更」が挙げられています。

この金型変更が、インペラ自体の設計変更なのか、金型の材質等の変更なのか、変更経緯は分かりませんが、いずれにせよ、製造プロセスの変更なので、自動車業界の場合、PPAP(ピーパップ: Production Part Approval Process)に基づき変更管理をしているはずです。

ご承知の方も多いと思いますが、PPAPとは、日本語では「生産部品承認プロセス」と呼ばれ、AIAG(アメリが自動車工業会)が、自動車関連産業において、外部のサプライヤーから購入する部品や材料を承認するマニュアルを作成しています。

つまり、この金型変更のプロセスは、記録に残っているので、「見落としていたリスク」がわかり、改善ができるでしょう。

 

素人考えですが、報道では、

「金型変更により、密度が低い樹脂が生産された」

「ホンダによる分析では、密度の低いインペラが長期間保管されることで表面が乾燥し、収縮して細かな亀裂が発生した」

ということなので、金型変更による「インペラの樹脂密度の検証」と「インペラ部品の長期間保管で生じるリスクとその影響の想定と検証」が不十分だったと言うことになるのでしょう。

 

月並みですが、こうした報道を通じて、多くの国民が情報を知ることで、「自分たちの仕事においても部品や設備、手順等を変更した場合にこれまでとどのような変化があり、どのようなリスク想定と影響が生じるのか」を振り返っていることが、きめの細かい製品やサービス品質の向上に繋がるのだと思います。
 

 

【好評発売中!】

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001