2024年1月2日に羽田空港で発生した日航機と海保機の衝突事故について、ニュース解説などで、しばしば話題になる「スイスチーズモデル」。

航空機の誘導に関しては、いくつかのミスが重なっても、それを防ぐ「壁」があるはずですが、この事故においては「いくつかの壁をすり抜けてしまったために発生した事故」と言われています。

ご承知の方も多いと思うので、今さらですが、以下に、スイスチーズモデルとは、「どのようなものなのか」、「防ぐためにはどうすればいいのか」をまとめてきました。

 

《スイスチーズモデルとは何か》

スイスチーズモデルは、リスク管理における重要なコンセプトで、組織内の防御システムをスイスチーズのスライスに例えます。

各チーズのスライスは、リスクを軽減するための防御機構やプロセスを表し、スライス内の穴はシステムの弱点や欠陥を象徴しています。

理想的には、これらの防御機構が連携してリスクを抑えますが、穴(弱点)が完全に一致してしまうと、リスクがシステムを突破し、事故や障害につながります。

 

例えば、病院での医療ミスを考えてみます。

最初のチーズのスライスは医師の専門知識と経験、次のスライスは看護師のチェック、その次は薬のラベル確認などです。

もし医師が間違った薬を処方しても、看護師のチェックやラベル確認でミスが発見されるはずです。

しかし、医師のミス、看護師の不注意、ラベルの誤りなどが同時に発生すると、医療ミスが起こる可能性があります。

 

《スイスチーズモデルを防ぐには、どうしたらよいか》

スイスチーズモデルに基づくリスクを防ぐためには、まず各防御機構の弱点(穴)を理解し、それを最小限に抑えることが重要です。

これには、組織内のプロセスやシステムの定期的なレビューと改善が必要です。

次に、複数の独立したチェックポイントやセーフガードを設けることで、一つの防御が失敗した場合にも他がカバーできるようにすることが肝要です。

加えて、従業員の研修や教育を通じて意識の向上を図り、エラーを防ぐ文化を構築することが大切です。

 

リスク管理においては、防御機構の間のコミュニケーションと連携が重要で、問題が発生したときに迅速に対応できるように、組織内の情報共有と対応計画の確立が求められます。

また、リスクの発生を前提としたプランニングで、予測不能なリスクにも柔軟に対応できる体制を整えることが重要です。

 

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ889号より)

 

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