日本航空の新社長にCA出身の初の女性社長が就任するそうです。

以下に、2024年1月17日付の「乗りものニュース」の記事を要約しました。

 

《記事の要約》

JAL(日本航空)の現社長である赤坂祐二氏は2024年3月末に社長職を退き、新社長には現専務の鳥取三津子氏が就任すると発表しました。
赤坂氏はその後、代表取締役会長に就任し、現会長の植木義晴氏は会長を退任して取締役になります。
鳥取氏は1985年に客室乗務員としてTDA(東亜国内航空、後のJAS)に入社し、JALグループとしては初の女性社長となります。
 

赤坂現社長は、鳥取氏が客室サービスや安全部門で長年の経験を積んでおり、お客様視点を重視しつつ社員の力を引き出すリーダーシップを持つ適任者だと評価しています。
鳥取新社長は、安全運航への取り組みを続けると共に、JALを社会に貢献し、働きがいのある会社にしていくと語っています。

(記事の要約、ここまで)

 

一般論ですが、航空会社のトップに、CA(キャビンアテンダント)出身の女性社長が誕生することで、今後、期待できることを挙げてみます。

 

まず、客室乗務員としての経験を持つ鳥取新社長は、お客様のニーズと期待を深く理解している可能性が高いです。

これにより、顧客中心のサービス改善や新しいサービスの開発が期待されます。

また、女性の視点を経営に取り入れることで、多様な価値観やニーズに対応したサービス提供が可能になり、幅広い顧客層へのアピールが強化されるでしょう。

さらに、女性のトップリーダーが活躍することで、組織内のジェンダー平等や多様性の推進が促進されることも期待されます。

これは社員のモチベーション向上や才能の最大化に寄与し、結果として企業の競争力強化に繋がります。

加えて、鳥取新社長のようなロールモデルの存在は、他の女性社員にとってのキャリアアップの刺激となり、航空業界全体の人材育成と多様性の推進に貢献する可能性があります。

 

多くの方がご承知の通り、日本航空は、2010年1月に、2兆3,000億円という事業会社としては戦後最大の負債を抱えて、会社更生法の適用を申請し、事実上倒産しました。

その日本航空を再生させるため、政府から強い要請を受け、会長に就任したのが、京セラや第二電電(現KDDI)創業者の稲盛和夫氏です。

 

稲盛会長以降、JALの社長になった人物は、植木義晴氏(2012年2月~2018年)、赤坂祐二氏(2018年~2024年3月)、そして2024年4月から就任予定の鳥取三津子氏です。

この3人の主な経歴の特徴は、植木氏は、航空大学校卒のパイロット出身、赤坂氏は、東大工学部卒の整備部門出身、そして鳥取氏は、長崎の活水女子短大出身の客室乗務員出身と「現場経験が長い」ことです。

稲盛氏以前のJALの社長は、海外支店や財務など経営管理や企画部門出身の方が多い印象なので、稲盛氏以降、航空会社のサービスの基本である「安心安全」を重視した企業文化に変化しつつあるのかもしれません。
 

それにしても、JALという組織の本質は、外部の人間には、表面的にしか分かりませんが、JALの人事が「人物本位」であり、「学歴や職種偏重」ではない結果に、驚きました。

イメージで恐縮ですが、日本の場合、大企業は、「総合職、専門職、一般職」などの区分けがあり、特に、銀行、証券、保険などの多くの金融機関は、学歴や入社時の配属部門で、おおよそのその後の出世路線が決まる傾向があります。

 

しかし、次期社長の鳥取氏は、JALに経営統合された東亜国内航空出身。一般的に、経営統合では、吸収された組織出身者は冷遇されるのが世の常です。

現場出身者を社長にすることは、私たち「旅客利用者」だけでなく、内部の職員の仕事に対するモチベーションアップにも繋がるのではないかと思います。

鳥取次期社長の経営手腕に注目したいと思います。

 

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