2023年12月30日付 共同通信社の報道によると、2024年元旦から、JR九州は運転士の名前の張り出しと車掌の名札を廃止するそうです。

これらの廃止の目的は、カスタマーハラスメント対策です。

 

以下に、共同通信の記事の要約と、運転士の名前の張り出しと車掌の名札廃止のメリットとデメリット、今後、予想される他業種の動向について、考察しました。

 

《記事の要約》

JR九州は2024年1月1日から、全ての在来線車内において、運転士と車掌の名前の表示を廃止することを発表した。

この措置は、SNS上での投稿増加によるプライバシー侵害とカスタマーハラスメント(カスハラ)を防ぐためのものである。

JR九州によると、この変更は「働きやすい環境づくり」の一環として実施される。

2000年から在来線の先頭と最後尾の乗務員室に向けて運転士と車掌のフルネームを含むプレートが掲示されていたが、悪質な問い合わせを避けるために現在は職種と姓のみが表示されている。

JR西日本とJR四国では、同様の措置が2023年7月から取られており、JR北海道とJR東日本はそもそもこの制度を導入していない。さらに、国土交通省は2023年8月に、バスやタクシーでの運転手名の掲示義務を廃止する省令改正を行った。

(以上、記事の要約)

 

《運転士の名前の張り出しと車掌の名札廃止のメリットとデメリット》

「メリット」

◆プライバシー保護:
運転士や車掌の個人情報が一般公開されることなく、プライバシーが守られる。


◆カスタマーハラスメントの軽減:

乗務員に対する悪質な問い合わせやハラスメントが減少する。


◆心理的安心感:
乗務員が個人的な情報を晒されることなく、より安心して職務を遂行できる。


「デメリット」

◆顧客信頼の減少:
運転士や車掌の氏名が不明であるため、顧客が乗務員に対して持つ信頼感が低下する可能性がある。


◆アカウンタビリティの欠如:
乗務員の身元が明らかでないため、サービスに対する責任や説明責任が薄れる恐れがある。


《カスタマーハラスメント対策としての他業種の予想される動向》

◆リテール業界:
店舗スタッフの名札表示を廃止し、代わりにジェネリックな識別番号や職種のみを表示する可能性がある。


◆サービス業(ホテル、レストラン):
顧客との直接的な対話における従業員の身元保護のため、名札の使用を制限するか、非表示にする動きが生じるかもしれない。


◆公共交通(バス、タクシー):
国土交通省の方針に倣い、乗務員の氏名表示を廃止し、代わりに社員番号や職種のみの表示に移行する可能性がある。


◆コールセンター業界:
顧客サポート担当者のフルネームの使用を避け、イニシャルや匿名を用いる方法が採用される可能性がある。


◆教育機関:
教員やスタッフのプライバシー保護のため、学校や大学での名札表示を廃止するか、制限する動向が見られる可能性がある。


これらの動向は、従業員のプライバシー保護とカスタマーハラスメント対策のバランスをとるための取り組みとして進行する可能性が高いです。
特に、個人情報の露出が直接的にハラスメントやストレスの原因となる業界では、従業員の安全と精神的な健康を守るため、名前の公表を避ける方向に動くことが予想されます。
それに伴い、顧客サービスの質や透明性を保つための新たな対策が必要となるでしょう。
たとえば、顧客のフィードバックや苦情を効率的に処理するためのシステムやプロセスの改善、顧客と従業員の両方の利益を守るための新しいガイドラインの導入などが考えられます。

 

また、これらの変化には顧客の理解と協力も重要です。
顧客にとっては、従業員の個人情報の保護がサービスの質に影響を与える可能性があるため、サービス提供側は顧客への教育や情報提供を通じて、新しい業務手順やサービス方針の目的と重要性を伝える必要があります。
これにより、従業員のプライバシー保護と顧客満足度を両立させる努力が進むと期待されます。

 

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