2023年12月1日号の週刊ポストが、「インボイスで消費税2重取りの巧妙手口」と題した以下の記事を報じていました。
以下に、「この記事の要約」と「税金は財源でなく政策調整が目的」という主張について、考察しました。
《記事の要約》
2023年10月導入されたインボイス制度は、消費税率を実質的に高める仕組みがあることが、明らかになった。
例えば、A社が1000円の消費税を含む商品をB社に売り、B社が免税業者の場合、C社は商品を小売りしてもA社が納めた消費税1000円を控除できない。
結果として、C社は商品価格1万2000円に対して2200円の消費税を支払う必要があり、税率は約18%になる。
財務省は、インボイス制度によって税収が増えることを見込んでおり、消費税の二重取りが可能になるこのシステムが消費者に大きな負担をかけることが指摘されている。
政府は物価高騰対策として所得税減税を行う一方で、この消費者に不利な制度を導入し、消費税の実質的な増税につながっている。
《「税金は財源ではなく、政策調整」という主張の考察》
税金に関する以下の用語を考察しました。
◆スペンディングファースト(政府支出が先):
政府は税収に頼る前に、必要な支出を優先し、その後で必要な税金を調整している。
◆ビルトインスタビライザー(自動安定化装置):
経済の波動に対応して、税収や支出が自動的に調整される。
例えば、不況時には税収が減少し、支出が増加することで経済を安定させている。
◆所得税と法人税:
これらの税は所得や企業の利益に基づくため、経済状況に応じて調整することが可能。
内需拡大や消費抑制などの政策目標を達成するために利用される。
◆消費抑制:
消費を抑制することでインフレを抑え、経済の過熱を防ぐために消費税を調整する。
◆内需拡大:
内需を刺激するために、税金を減税し、民間の消費や投資を促進する。
このように税金は、単なる財源の確保ではなく、経済状況や政策目標に応じた調整ツールとして機能しています。
日本以外の消費税(付加価値税)を導入している国では、国内の経済がよいとき、悪い時に応じて、付加価値税率を上げ下げして調整しているそうです。
経済評論家の森永卓郎さんが唱えるように、財務省が「増税という教義」に支配されている「ザイム真理教」なのか、それともアメリカなどによる「日本経済を裏で牛耳る(実証実験)存在がある」のか、私には分かりませんが、政策調整機能を果たしていない税制は、日本経済の衰退という未来しか見えない気がします。
話はガラッと変りますが、「インボイス導入」で、「お店や会社の経営母体」が分かるようになったのは、おもしろいです。
例えば、大手コンビニチェーン店で買い物をして、レシートを見ると、登録番号が書いてあるのでそれを検索すると、大手コンビニとは無関係な会社名が出てきます。
先日、某コンビニの年賀状印刷を注文したところ、決済はクレジットカードで完了しましたが、「領収書」が必要なので、発行を依頼すると、数日後に見知らぬ会社から封書が届き、領収書が入っていました。
つまり、私たちがコンビニで買い物している多くのものの運営母体は、コンビニ本部との契約に基づく委託業者なのです。
それにしても、これまでなら、「経費処理」する場合、クレジットカードの明細書やカード決済の完了メール等が、「経費の証憑」になりましたが、インボイス制度により、会社名や登録番号が記載された領収書や請求書が経費処理に必要になりました。
私のような零細組織でも「面倒になったなぁ」と感じるのですから、組織規模が大きいと、経理部門は、もっと大変なんだろうな、と思います。
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