小学3年生以下の子供の「放置禁止」を盛り込んだ埼玉県虐待禁止条例改正案が、埼玉県議会の9月定例会で議論されているそうです。

この改正条例によると、「小学3年生以下の子供だけの留守番」は、条例違反になるそうで、目撃した人は通報の義務もあるそうです。

私は、この報道を見た瞬間、「現実離れした条例ではないか」と思いました。

2023年10月6日付けの毎日新聞の報道から、このニュースを以下に纏めてみました。

 

《毎日新聞の報道の要約》

埼玉県で、小学3年生以下の子供の放置を禁止する虐待禁止条例改正案が議論され、2023年10月6日の福祉保健医療委員会で賛成多数で可決した。
10月13日の本会議での成立が予想される。
この改正案は、子供の放置による死亡事件を受けて自民党県議団が提案。小学3年生以下の放置を養護者の義務として禁じ、小学6年生以下は努力義務とした。養護者とは保護者や教職員などを指す。

 

この条例は「留守番禁止規定」とも称されるが、具体的な罰則はない。

また、待機児童の解消や放置を防ぐ施策を県に義務づける内容も含まれている。

さらに、虐待の通報義務も新設され、虐待が疑われるケースを発見した県民は速やかに通報する義務がある。

 

一方で、改正案には賛否が分かれている。

反対派からは子育て家庭への負担や待機児童問題、子供を兄弟に預ける実情などの懸念が声を大にして示された。提案者側は、子供の放置は許されないとの立場から、この条例によって県民の意識改革を促すとの考えを示した。

しかし、具体的な施策の実施については「県が適切に運用する」とのみ述べられた。

 

修正案の提案もなされたが、多数決で否決。県の担当者は待機児童の解消に時間がかかることを認めつつ、放置の具体例を示す方針を明らかにした。

自民県議団の田村琢実団長は、「カギっ子」の認識改革と放置に対する適切な対応が必要で、将来的には罰則の再考が必要かもしれないとの見解を示した。

(要約、ここまで)

 

現状、この条例に対する違反について、「罰則」はないそうですが、コンプライアンス重視の企業は、従業員の共働き世帯に対する対応が迫られるかもしれません。

 

確かに、近年、「子供の放置」による事件・事故の報道は、多く耳にするので、市民の意識改革は必要でしょう。

しかし、いまや、殆どの家庭が共働き世代で、シングルマザー、シングルファザーの家庭も多いでしょう。

つまり、多様な家庭の形態に対して、一律にこの条例を守ってください、というのは、現実的には難しいと思います。

 

それと、私が、「怖いなぁ」と思ったのは、こうした反対意見も多い条例案が、「数の力で押し切られようとしている」点です。

現在の埼玉県議会の「会派」を調べてみると、議員数86名(欠員7名)に対して、この条例改正案を提案した自民党所属議員は「50名」で、本会議で採決すれば、可決することは決定です。

なんだか、現在の国会の縮図を見ているようです。

 

日本は貧乏になっていくのと同時に、どんどん、暮らしにくい世界になっていく気がします。
 

 

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