マネジメントシステム認証の仕事に関わって約30年が経過しました。

しかし、コンサルや審査を通じて、「へぇ、この業界ってこんなに変化してるんだ」とか「最近の人材採用や育成プログラムではこんなこともやっているんだ」と仕事を通じての学びは、数多くあります。

個別の話題は守秘義務があるので、もちろん、よそで話すことは出来ませんが、こうした学びは、おそらく、CPD(Continuing Professional Development:継続的能力開発)などの記録としては表現できないですが、力量のアップデートにつながっているんだろうな、と思います。

 

要は、言い尽くされた言葉ですが、「審査員としての力量は急に向上することはなく、絶えず、意識的に情報収集し、仕事を通じて向上(継続的改善)させていくしかない」のでしょう。

 

一例として、力量向上のポイントを整理しておきます。

◆オリジナルのチェックリストを自ら作成する

◆チェックリストを審査で活用し、自然に、聞き取りや記録確認が出来るようにする

◆組織のプロセス、施設・設備、管理方法について、積極的に聞き取りする

◆審査以外で、組織のプロセスを想像し、疑似体験できる場を作る

◆組織に関連する関連法令の概要をネット等で調べる

◆関連法令等の改正情報にアンテナを張る

◆組織に訪問する前に課題と思われる部分を洗い出す

◆事前に洗い出した課題について、審査を通じて情報収集し、証拠固めをする

◆指摘を作成する際は、根拠を徹底的に明確にする

◆指摘の根拠が、自身の思い込みや価値観になっていないか、客観視する

◆組織に、マネジメントシステムが定着しているか、という観点で情報収集と検証をする

◆業務プロセスを文書、聞き取り、現場の観察から確認し、改善活動を確認する

・・・

 

これも、よく聞く話しだと思いますが、組織から、「マネジメントシステムを定着させるにはどうしたらいいですか」と言う質問をよく受けます。

審査においては、審査側は、「こちらで、みなさまの業務活動がマネジメントシステム規格の要求事項に適合しているか、確認するので、みなさまは、規格を意識することはないですよ」という感じのことを、よく話すと思います。

ただ、これは、「審査側が、組織が結果として、規格要求事項に適合しているか否かをチェックする方法論」であって、「組織がマネジメントシステムを使いこなせるようにするには、どうすればいいか」ということの説明にはなっていません。

 

審査論として、「規格要求に対する逐条的な審査」から、「リスクベース思考」や「プロセスアプローチ」に変化したといっても、組織がマネジメントシステム規格の認証を取得する以上、理想的には、「組織が適合性を自ら示すこと」、つまり、「適合性の説明責任は、組織側にある」というのが大前提です。

したがって、私の持論ですが、「組織が、マネジメントシステムを定着させるために必要なこと」は、「ISO思考」を身に付けることです。

要は、目標管理する場合、マネジメントシステム要求事項を意識的に、照らし合わせて、「自分たちの管理方法が適切か、何が不足してるか」を常に考えることです。

審査員は「規格は意識しなくていいですよ」と甘いことばを掛けますが、「規格をマネジメントツールとして使い倒す」ためには、「ISO思考」を意識して、業務活動を行う上で当たり前の考え方、仕事の進め方としていくことが大事なのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ842号より)

 

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