ある物流企業の経営者と「パレット落下事故」の再発防止について、意見交換しました。
事故事例と再発防止の考え方について、下記にまとめてみました。
《事故事例》
物流倉庫でのトラックへの荷積み作業中に、パレットに乗った荷物を落下させ破損する事故が発生した。
《再発防止》
原因分析: 事故原因を特定するために、現場での作業状況や従業員の意見を調査・分析します。
この事例では、以下のような原因が考えられます。
・荷物の積み方が不適切で、パレットの重心が不安定だった
・作業員の技術不足や注意力の欠如
・フォークリフトの運用が不適切で、急発進や急停止により荷物が落下した
・作業環境の問題、例えば照明や床の状態が悪いために事故が発生しやすかった
再発防止策: 原因分析をもとに、再発防止策を立案・実施します。
具体的な対策は以下の通りです。
・荷物の積み方の見直しや、荷物を確実に固定するためのストラップの使用を徹底する
・作業員に対する研修や定期的な技術評価を実施し、スキルアップを図る
・フォークリフトの運用ルールを策定し、遵守を徹底する
・作業環境の改善を図る(例:照明を改善し、床の状態を整備する)
有効性確認: 再発防止策の有効性を確認するために、以下の方法を用いて判断します。
・実施後の事故発生率の変化を確認し、再発防止策が効果を発揮しているか評価する
・改善策実施前後での事故発生件数や頻度の比較を行う
・定期的な内部監査やミーティングで、再発防止策の遵守状況や効果を検証する
この意見交換で特に話題になったのが、「再発防止の有効性確認とその検証」です。
例えば、落下させ破損した荷物が「特殊な形状をしていて、取り扱うケースが年に数回の場合」、再発防止策が有効だったことをいつの時点で判断し、検証すればいいのか、という疑問です。
要は、取扱いの多い「通常の荷物の事故の発生率の変化」では、再発防止の有効性確認として妥当な方法ではない、という意見です。
理想的には、同様の特殊な荷物の荷積み事例を数例確認して、事故が発生していないことを確認して、「再発防止は有効性があった」と評価することです。
しかし、荷物事故の是正処置の管理上、「有効性確認は未完了」としておく期間が長くなるのは、管理上避けたいのだそうです。
このような場合は、再発防止策についての認識が関係者に周知されているか否かを評価して、是正処置の管理上は、一旦、クローズさせておくことでも、良いのかもしれません。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ848号より)
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