2023年8月14日付けの産経新聞が、ビッグモーターの90億円借り換え要請について、銀行団が応じない考えを示したそうです。

 

《産経新聞の記事の要約》

中古車販売大手のビッグモーターは、90億円の借入金の借り換えを銀行団に要請したが、取引先である銀行団から応じない方針が示された。

この背景には、ビッグモーターが自動車保険の不正請求問題に関与し、その影響で顧客の離れが顕著になっていることがある。

銀行団は、このような状況下での融資はリスクが高いと判断した。ビッグモーターは近日中に借入金の返済期限を迎えるが、約320億円の現預金を活用して返済を進める予定である。

 

ビッグモーターが不正問題を受けて販売が減少したため、銀行団に対して東京で会合を開き、借り換えの要請を行った。これに対応した銀行団には、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行などの3大メガバンクと、地方銀行である広島銀行などが含まれる。

 

さらに、信販会社のジャックスはビッグモーター向けの自動車ローンの新規受付を停止した。

また、中古車の検索サイト「グーネット」もビッグモーターの車情報の掲載を中止している。このような状況の中、ビッグモーターの和泉伸二社長は記者会見で、車の売買台数が通常時の半分に減少していると述べ、事業環境の厳しさを強調した。

(要約、ここまで)

 

報道では、ビッグモーターの預貯金は、300億円程度はあるそうなので、「当分は、自社にある資産でやりくりできる」と銀行団は判断したのでしょう。

世間の厳しい目があるので、銀行団としては、「潰れて、貸した金が、回収不能になるのは、まずいけど、安易に、借り換え要請に応じたら、世間から非難される、という考えもあるのでしょう。

 

銀行団としては、完全に潰れてしまったら、連鎖倒産が生じ、混乱が大きくなる。

つまり、ビッグモーターには、「お灸を据える」意味と、銀行に対する世間からの「貸して責任」に対する厳しい目を気にして、借り換えを見送ったのだと思います。

ただ、本音は、「世間がこのニュースから忘れるのを静かに待つ」という感じなのかもしれません。

 

私は、コンプライアンス意識や内部統制が仕組みとしてなく、実態として機能していない組織に、「業績が好調だから」という理由で、融資をし続けてきた銀行団に、一連のビッグモーターの不祥事の責任がある、との考えです。

今さらですが、銀行が、「ビッグモーターには、しっかり、経営を立て直してもらう必要がある」と考えるなら、逆に、借り換え要請の条件として、「経営陣を銀行団から送り込む」、「外部から送り込んだ経営陣主導で、徹底した社内改革を実施する」、といった条件を付けることも、方法論としては、あったのではないかと思います。
 

 

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