和歌山の八郎山トンネルで施工不良が見つかったそうです。
2023年7月27日付の関西テレビの報道を要約し、想定される完成検査で施工不良が判明できなかった理由と施工不良が生じる組織のマネジメントシステムの特徴を考察しました。
《報道の要約》
和歌山県の那智勝浦町と串本町を結ぶ約700メートルの「八郎山トンネル」にて、コンクリートの施工不良が明らかになりました。
この不良は、照明を設置するための穴を開けた際に初めて発見されました。
広範囲に渡って空洞が存在し、規定の30センチに対して最薄部では3センチしかない部分も見つかりました。
施工を担当した淺川組と堀組に対して、和歌山県は入札参加の6カ月停止と自費での再工事を命じました。
このトンネルは、2023年12月に開通予定で、串本町で計画されるロケットの打ち上げ観覧者の混雑緩和に役立てる予定でしたが、この問題により開通が延期される見込みです。
《想定される施工不良が見つからなかった理由》
◆検査プロセスの不備:
十分な検査プロセスが設けられていなかった、あるいは実施されていなかった可能性があります。
◆技術的な制限:
コンクリートの内部の空洞や厚さを確認するための技術や機器が不足していた可能性があります。
◆不正行為:
施工業者や検査者が不正行為を行い、不良を見逃した可能性があります。
◆コミュニケーションの不備:
施工現場と検査者との間でのコミュニケーション不足があった可能性があります。
◆設計不備:
元々の設計が不十分だったために、施工が正しく行われなかった可能性も考えられます。
《施工不良が発生する組織のマネジメントシステムの特徴》
◆計画不足:
プロジェクトの始めに十分な計画が行われていない場合、予期しない問題が発生する可能性が高まります。
◆指導不足:
作業者が適切に指導されていない、または訓練が不足していると、作業のミスが増える可能性があります。
◆監督不足:
作業の進行状況を定期的に確認し、不具合が生じた場合にはそれを迅速に修正するための監督体制が不足していると、問題が見逃されやすくなります。
◆情報共有の不足:
組織内での情報の共有が不足していると、全体としての品質管理が難しくなります。
◆リスク管理の不足:
リスクを評価し、それに対応する計画を立てることが不十分な場合、問題が発生したときに適切な対応を行うことができない可能性があります。
八郎山トンネルの施工を実施したのは、報道では、和歌山県の淺川組と堀組だそうです。
各社のWebサイトを確認すると、淺川組は、ISO9001とISO14001(認証機関はMSA)、堀組は、ISO9001(認証機関はインターテック)で取得しています。
各認証機関は、この件について、組織のマネジメントシステム上の問題なのか、これまでの審査に瑕疵はなかったか、などを調査することになるはずですが、どのような対応を取るのか、注視したいと思います。
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