ISO認証審査において、認証機関が実施する審査で、しばしば話題に挙がるひとつに「シフト勤務における有効要員数」があります。

 

IAF MD5:2019のおさらいになりますが、該当する要求事項は、「3.5」項になります。

 

(規格より引用)

QMS 審査については、図 QMS 1 が、表 QMS 1 から計算される審査工数からの調整を行うためのビジュアルガイドとなり、すべてのシフトに対する合計有効要員数に基づく出発点を特定することによって、審査を計画するために使用されるプロセスに枠組みを与えている

(引用、ここまで)

 

つまり、

・シフト体制の組織審査は、QMSでは、他のMSより考慮する必要がある

・原則として、すべてのシフトの合計を有効要員数の出発点とする

(※有効要員数は、各シフトの要員を含む、認証範囲内に関係するすべての要員からなるとの規定がある)

ことが要求されています。

ちなみに、EMS、OHSMSに関する規定(3.6、3.7)には、「有効要員数の出発点にシフトを考慮すること」が、明確に規定されていません。

 

したがって、例えば、(一般論ですが)

◆2直3交代→有効要員数を調整することができる

週7間稼働であれば、各シフト要員は週休2日程度であり通常勤務と同等と考えられるが、土日稼働停止するシステムであれば週休3~4日なので、有効要員数を調整することは妥当。

◆2直2交代→有効要員数の調整は不要

通常は土日稼働停止するケースが多いので、通常勤務と同等と考えられる。

◆連続2交代(日直+準夜勤)→有効要員数を調整することができる

準夜勤の要員について、勤務時間(例えば18時~22時)に応じた有効要員数の調整が妥当。

・・・

などと考えることができます。

 

要は、審査工数の決定については、依頼者及びそのマネジメントシステムの複雑さ、及び、事業所の規模及び数を考慮しなければなりません。

また、有効要員数は、(1つのパラメーターとして)審査工数計算の基礎として使用され、この側面を反映するように要員の稼働量に応じて有効要員数を調整することは可能です。

したがって、シフトの形態により一律に有効要員数を増減するのではなく、シフトに関わる要員の稼働量を考慮することが必要です。

 

繰り返しになりますが、あくまでも、「原則として、すべてのシフトの合計を有効要員数の出発点とする」ことが基本なので、例えば、“要員数の2割以上をシフト要員が占めた場合、昼間1直分の稼働人数を審査工数算出の要員数とする”といった算出は、適切な手順とは言えないでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ844号より)
 

 

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