音楽プロデューサーの松尾潔さんが、2023年7月6日付の「日刊ゲンダイ」のコラム「松尾潔のメロウな木曜日」で、2023年6月30日に業務提携を一方的な申し出をきっかけに解消した「スマイルカンパニー」との経緯を説明しました。

ご承知の方も多いと思いますが、松尾さんは、ジャニー喜多川氏の性的虐待疑惑と藤島ジュリー景子社長の謝罪動画について、何度か「提言ツイート」を繰り返してきました。

 

ちなみに、スマイルカンパニーは、山下達郎さん、竹内まりやさんが所属する音楽事務所です。

松尾潔さんは、山下さんに誘われて、2009年にスマイルカンパニーと業務提携を結んだそうです。

そして、山下さんや松尾さんは、ジャニーズ所属タレントに多くの楽曲も提供しています。

 

とりあえず、7月6日付けの「松尾潔のメロウな木曜日」について、要点を以下にまとめていました。

 

《メロウな木曜日で松尾さんが説明した要点》
・松尾潔の「スマイルカンパニー」との業務提携解消のツイート(7/1)がバズった

・ツイートによって関心がスマイルカンパニー(山下氏)やジャニーズ事務所に向けられた

・多くのメディアから取材依頼が届いた(テレビからの取材は、ゼロ)

・松尾は、山下達郎に誘われてスマイルカンパニーに加入し、10年以上の交流があった。

・松尾は、ジャニーズ事務所や山下夫妻に対して尊敬や信頼を抱いている

・松尾は、スマイルカンパニーとの契約を14回も更新していた。

・松尾は、ジャニーズの性加害問題について建設的な提言をした

・また、タレントを守ることを目的としていることを明言した。

・松尾は。山下夫妻の意向を尊重し、SCとの契約終了に合意した

・しかし、その賛成については疑問を抱いていた。

・松尾は、スマイルカンパニーとの契約終了後も山下夫妻との関係を大切にしたいと考えた

・したがって、業務の引き継ぎに時間を必要としていたが、SCは6月末での契約終了を求めた

・弁護士を通じて、業務提携解消に、山下夫妻も賛同したことがわかった

 

松尾さんの7月1日の「ツイート」や7月6日の「メロウな木曜日」で、山下達郎さんの名前が出たことで、SNS媒体を利用していない山下さんは、自身のラジオ番組(7/9放送の山下達郎サンデー・ソングブック)で、この顛末について、説明しました。

以下に、山下さんが番組で説明した要点をまとめました。

 

《山下達郎サンデー・ソングブックで説明された要点》

・松尾潔氏との業務提携が終了し、ネットや週刊誌で話題になっている。

・業務提携は顧問料の形で行われ、雇用関係や所属アーティストではない。

・松尾氏との契約終了は事務所の社長の判断に委ねられたものであり、直接話したり解雇を促したりはしていない。

・松尾氏がジャニー喜多川氏の性加害問題について一方的な批判をしたことが契約終了の一因だが、他にも理由がある。

・私はネットや週刊誌の憶測に基づくジャニーズ事務所への忖度はなく、この番組で率直に話すことを選んだ。

・私自身は性加害についての詳細は知らないし、コメントする根拠もない。

・私は作曲家であり、ジャニーズ事務所の内部事情や性加害の事実には関与していない。

・ジャニー喜多川さんとの出会いや楽曲提供を通じて成長し、多くのジャニーズとの絆を築いた。

・人間同士のコミュニケーションが重要であり、ジャニー喜多川さんの功績に対する尊敬は変わっていない。

 

私は、山下達郎さんの「ライドオンタイム」や「クリスマスイブ」、「甘く危険なかおり」は、カラオケでも歌うし、KinKi Kidsに提供した「硝子の少年」も好きで、山下さんのラジオ番組も、頻度は高くないですが、年に10回程度は聴いています。

また、ケミストリーなど、松尾氏が世の中に送り出したアーティストや楽曲も好きです。

ただ、両者に対して、信者的な熱狂的なファンではないので、バイアスを掛けずに、発言できる立場です。

そのような立場で、客観的に今回の件を捉えると、結論から言えば、松尾さんのジャニーズ事務所に対するツイート(提言)は、当然で、山下さんは、ジャニーズ事務所に対する忖度と時代感覚にズレがあるな、と思います。

「私のコメントがジャニーズ事務所に対する忖度と捉える人に私の音楽は必要ないと思う」という山下さんのコメントは、個人的には、逆ギレにしか映らず、非常に残念な気持ちになりました。

 

自動車メーカーの取引に置き換えて考えると、ジャニーズ事務所は、自動車メーカー、山下さんの立場は、部品メーカーです。

自動車メーカーが不祥事を起こして、消費者からの「批判や不買運動」はあっても、供給者(下請業者)がメーカーに対して、「部品供給はしません」ということは、多くの場合、ないですし、部品メーカーと提携関係にある部品メーカーが自動車メーカーに批判的な発言をすれば、自動車メーカーに忖度して、「提携解消」ということは、よくある話しでしょう。

 

このように「ビジネス」で捉えれば、スマイルカンパニーやその所属タレントの山下さんの行動は当然なのかもしれません。

しかし、山下さんの行動から想像すると、ジャニーズ事務所の芸能界に与える影響は巨大で、社会問題になる出来事があっても、多くの関係者は、忖度する社会なんだ、ということが理解できたできごとでした。
 

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