2023年6月15日に、千葉日報が、千葉市にある温水プールで塩素ガスが発生する事故が発生したことを報じていました。

以下に、この記事の要約と想定される事故原因、再発防止策を考察してみました。

 

《記事の要約》

千葉市花見川区の温水プールでポリ塩化アルミニウムの誤混入により塩素ガスが発生し、プールの利用者433人が避難しました。

男性職員が水質管理作業中に誤って薬品を混ぜ、目の痛みを訴えました。

利用者にけがはありませんでした。

ガスを消滅させるため市消防局が作業を行い、安全が確保されたらプールを再開する予定です。

 

《事故の想定原因》

◆薬品の保管場所や識別方法の不備:

薬品のポリタンクが離れた場所に保管され、色の異なるポリタンクに入っていたため、混同の可能性が生じた。

◆職員の不注意:

男性職員が水質管理作業中に次亜塩素酸ナトリウムの補充を行った際、誤ってポリ塩化アルミニウムを混ぜてしまった。

◆混合物の発生リスクの認識不足:

職員が誤って薬品を混ぜた結果、塩素ガスが発生し、安全性が脅かされた。

◆職員のトレーニング不足:

水質管理作業における正しい手順や薬品の取り扱いに関する研修やトレーニングが不十分であった可能性がある。

◆監督体制の不備:

施設の管理責任者や指導者が薬品の混合作業に対する適切な監督を行っていなかった可能性がある。

 

《再発防止策》

◆薬品の保管と識別の改善:

薬品の保管場所を適切に管理し、異なる薬品を明確に識別するためのシステムを導入する。

職員のトレーニングと教育の強化:水質管理作業や薬品の取り扱いに関するトレーニングプログラムを充実させ、職員の意識と技能を向上させる。

 

◆安全手順の確立と遵守:

水質管理作業における正確な手順を策定し、職員に対して遵守を徹底するためのガイドラインを作成する。また、作業中の監督体制を強化し、安全性の確保を重視する。

 

◆混合作業の二重確認:

薬品の混合作業を行う際には、職員間での二重確認を行うルールを設ける。作業の前後で正確な薬品の確認を行い、誤混入を防止する。

 

◆緊急時の対応策の整備:

薬品の誤混入や異常発生時に備えて、迅速かつ的確な緊急対応策を策定する。職員には適切な対処方法や避難手順の訓練を行い、事態が起きた際に円滑に対応できるよう準備する。

 

◆定期的な安全点検と保守管理:

施設の設備や装置について定期的な点検と保守管理を行うことで、問題や異常を早期に発見し修正する。特に水質管理に関連する装置や配管の点検を重視し、安全性を確保する。

 

◆コミュニケーションと報告体制の強化:

職員間や職員と管理者の間での円滑なコミュニケーションを促進し、異常や問題が発生した場合には迅速に報告できる体制を整える。問題の共有と情報共有を通じて、再発防止策を共同で検討し改善に取り組む。

 

それにしても、男性作業者は、目に痛みなどが生じたそうですが、利用者を含め、大事にいたらなくて、よかったと思います。

作業には、人が介在するので、確率論の問題でミスは必ず発生します。

月並みですが、可能な限り、間違いやすくならないような対策と事故が発生した場合に影響を最小限にする手順と対応訓練の確立が重要なのでしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ859号より)
 

 

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