組織の仕事の仕組み(マネジメントシステム)が国際規格に適合し、有効に機能しているかを第三者が審査し、世間に公表するISOマネジメントシステム認証制度がある。

 

このISOマネジメントシステムについて、最近、個人的に気になっている点を備忘録代わりに、何回かに分けて少しまとめておきたい。

 

今回のテーマは、「認証範囲外の組織や部門が実施するプロセス」について。

 

言わずもがなですが、マネジメントシステムを構築するにあたって、自組織全てが認証範囲で、かつ、責任が自組織内で完結するケースは、稀でしょう。

例えば、

・原料や副資材を外部業者から購入する

・ある加工プロセスや製造設備のメンテナンスを外部業者に委託する

・親会社から、原料購入や外注委託先について業者指定がある

・顧客から使用材料の支給がある

・・・

といったケースです。

この場合、例えば、原料に問題があった場合、顧客に対して、「購買先の問題だ」、「親会社からの指示で当社に責任は一切ない」、「顧客からの支給材なので当社に責任はない」と、言い切ることは、契約で取り決めをしていない限り、無理でしょう。

 

そのため、自社で原材料購入、あるいは、業務を委託する場合は、顧客要求事項や法令に照らし合わせて、自社で基準を設け、基準を満たしていることを確認して、発注するわけです。

 

また、「(顧客又は外部提供者の所有物)顧客や親会社からの支給品」についても、例えば、品質マネジメントシステム規格であれば、以下のような規定があります。

 

(以下、規格から引用)

組織は、顧客又は外部提供者の所有物について、それが組織の管理下にある間、又は組織がそれを使用している間は、注意を払わなければならない。

 

組織は、使用するため又は製品及びサービスに組み込むために提供された顧客又は外部提供者の所有物の識別、検証及び保護・防護を実施しなければならない。

 

顧客若しくは外部提供者の所有物を紛失若しくは損傷した場合、又は、その他これらが使用に適さないと判明した場合には、組織は、その旨を顧客又は外部提供者に報告し、発生した事柄について文書化した情報を保持しなければならない。

 

注記 顧客又は外部提供者の所有物には、材料、部品、道具、設備、顧客の施設、知的財産、個人情報などを含まれ得る。

(引用ここまで)

 

つまり、「使用するため、または、製品及びサービスに組み込むために、顧客や親会社からの所有物は検証を実施しなさい」ということで、問題があった場合、組織が何もしていなければ、免責されるというものではないのです。

 

食品安全マネジメントシステム(ISO22000)の場合は、

「7.1.5外部で開発された食品安全マネジメントシステムの要素」

「7.1.6外部から提供されるプロセス、製品又はサービスの管理」

に規定があります。

この中で、組織は要求事項に適合していることとそれが文書化した情報として保持されていることが要求されています。

したがって、顧客や親会社が大企業であっても、契約書などで、どのように支給材や指定の委託業者に関する取り決めについて「マネジメントシステムを構築する組織」が明確にしておくことが必要です。

 

少し話題は逸れますが、マネジメントシステムの構築支援を、外部のコンサルタントに依頼した場合、「マネジメントシステムの境界に関する責任権限や取り決め」に関してイマイチ明確にせずに、システムが構築されているケースがあります。

 

例えば、飲食店チェーンが、品質マネジメントシステムや食品安全マネジメントシステムを構築し、認証を受審する場合、「工場と各店舗、本社の品質保証部門、担当役員」を認証範囲組織としてマネジメントシステムを構築しているケースが多いです。

しかし、実際には、

・新メニューや期間限定サービスの企画・開発→本社商品・サービス企画部門

・お客様からの苦情、問い合わせ及び分析→お客様相談室

・・・

といったように、認証対象外の部門がマネジメントシステム上の役割を事実上、担っている場合があります。

組織は、こうした所について、認証範囲組織に含めるか、あるいは、含めない場合は、認証範囲組織において、マネジメントシステム上、どのように扱うか、明確にしておくことが重要です。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ768号より)
 

 

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