2023年5月16日に、工事現場で20トンのクレーン車が横転し、トラックなど3台の車両を押しつぶし、現場にいた作業員の1名が死亡、1名が足を骨折して重傷だそうです。
この事故について、各メディアの報道をまとめ、事故原因と再発防止策を考察してみました。
《事故の概要》
2023年5月16日、東京・品川区の有料老人ホームの建設現場で、20トンクレーン車が横転し、現場にいたワゴン車やトラックなど3台に倒れかかる事故が発生しました。
この事故で50代の男性作業員1人が死亡し、別の50代の男性作業員が足の骨を折る重傷を負いました。
クレーン車の運転手は、「掘削機をつって移動している最中に、バランスを崩してしまった」と述べています。
《想定される事故原因》
i) 重量オーバー: クレーンが持ち上げることができる重さを超えて負荷がかかった場合、クレーンは横転する可能性があります。
ii) 適切な設置・配備の不足: クレーンの設置場所が不適切だった、または不安定だった可能性があります。
iii) 操作ミス: クレーンの運転手が操作を誤った可能性があります。
iv) メンテナンス不足: クレーン車自体のメンテナンスが不十分で、機械的な故障が原因かもしれません。
v) 訓練不足: 運転手が適切な訓練を受けていない可能性もあります。
《再発防止策》
i) 重量チェック: クレーンが持ち上げる物の重さを常に確認し、その限界を超えないようにする。
ii) 適切な設置・配備: クレーンの設置場所をしっかりと選び、安定した地面に設置する。
iii) 正確な操作: 運転手が正確な操作を行うように、定期的な訓練と評価を行う。
iv) 定期的なメンテナンス: クレーン車の定期的な点検とメンテナンスを行う。
v) 安全教育: 作業員全員に対し、安全教育を徹底し、事故防止についての意識を高める。
ニュース報道について、ヤフコメには、クレーンオペレーター経験者と名乗る方のコメントも多く寄せられていました。
これらを読むと、
・工事現場は、軟弱地盤であることが多く、重機の移動で横転しやすい状態だった
・アウトリガーを張り出した状態で重機を移動させれば、横転は防げた
・作業性を重視せずに、吊り上げている掘削機を外して重機を移動させるべきだった
・熟練オペレーターと言っても、基本作業に忠実なわけではない
・トラックやワゴン車に乗っていた作業員は何をしていたのだろう
・・・
といった意見が目立った気がします。
報道では、この工事現場の現場監督は、事故当時は現場にいなかったようですが、毎朝、作業開始前に、当日の作業確認、KY活動などを実施しているはずなので、「クレーン車の移動時の横転の可能性」について、現場監督者は認識して、作業員に指示を出していたのか、また、他の作業員は、そうした事故の可能性を認識していたのか、が現場作業のマネジメントの観点では、私は気になります。
ちなみに、報道されている情報から、有料老人ホーム建設の発注者(建築主)、施工業者などを調べてみると、発注者は、大手デベロッパーのM地所レジデンスのようです。
工事現場には、既存の建物があり、それを解体して、有料老人ホームを建設する計画なので、今回の事故が既存建物の解体段階なのか、有料老人ホームの施工段階なのか不明ですが、施工業者の責任は重く、しっかりと事故原因究明し再発防止策を実施して欲しいと思います。
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