2023年4月28日付けの東海テレビが、
「水酸化ナトリウム水溶液が生徒の目に…中学校で理科実験中に事故 必要な保護メガネ着用せず」
という見出しのニュースを報道していました。
東海テレビの報道によれば、(以下、筆者が要約)
・名古屋市南区の市立本城中学校で4月27日に、理科の実験中に水酸化ナトリウム水溶液が飛び散り、生徒の目に入るという事故が発生した
・2年生の生徒が電気分解実験を行っており、水素の発生を確認するために着火ライターを近付けた際に、水溶液が飛散しました
・この結果、5人の生徒の顔に水溶液がかかり、1人が目に入って病院で治療を受けることとなった
・ただし、直後に目を水で洗い流されたため、視力への影響はないとされています。
・問題となったのは、生徒たちがマニュアルで求められている保護メガネを着用していなかったことです
・担当教師は、「マスクでくもる可能性があったので着けさせなかった」と説明しています。
(要約ここまで)
要は、
「マニュアルで規定している理科の実験中の保護メガネ着用ルールについて、マスクで保護メガネが曇るため、教師が生徒に保護メガネを、着用をさせなかったこと」
が事故の原因です。
マスクを着用している際に、保護メガネが曇る原因と再発防止策を以下の通り、考察しました。
《メガネが曇る原因》
a) 息の暖かい空気がマスクの上部から漏れ、メガネのレンズに触れて曇る。
b) メガネとマスクが密着していないため、外気との温度差により曇る。
c) 高い湿度が、メガネのレンズに結露を引き起こし、曇りを生じさせる。
《メガネが曇らないための対策》
a) マスクの上部をしっかりと鼻に沿わせ、密着させる。必要に応じて、鼻の部分に金属製のワイヤーや鼻パッドを追加することで、よりフィットさせる。
b) マスクとメガネの間に、ティッシュを挟んで吸湿性を高めることで、暖かい空気の逃げ道を作り、曇りを防ぐ。
c) メガネ用の曇り止めスプレーやクリームをレンズに塗布し、曇りを最小限に抑える。
個人的に気になるのは、コロナ禍以降、理科の実験で、生徒がマスクを着用するのは、日常的でしょう。
つまり、「保護メガネが、マスクを着用していることで曇る事例」は、相当数あったと思います。したがって、名古屋市の教育委員会は、「理科の実験の際に保護メガネを着用する」という「マニュアル」について、対応策について、各中学校にどのような指示を出していたのか、気になります。
また、この中学で、理科の実験を担当する教師の間で、「保護メガネの曇り防止対策」についてのノウハウが共有されていなかったのかも気になります。
コロナ禍という状況の変化について、マニュアルの見直しや運用ルールの特別措置などが、教育委員会や各学校では、どのように運用されていたのかについても、名古屋市は、再確認する必要があるでしょう。
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