言わずもがなですが、ISOマネジメントシステム認証審査では、「適合の証拠」を収集することが、現地審査に訪問した審査員の基本的な役割です。

ISO17021-1:2015では、「審査証拠の収集」について、以下の要求があります。

 

(以下、規格から引用)

9.4.4 情報の入手及び検証

 

9.4.4.1 審査証拠となるように、審査中に、審査目的、審査範囲及び審査基準に関する情報(機能間、活動間及びプロセス間のインタフェースに関連する情報を含む。)を適切なサンプリングによって入手し、検証しなければならない。

 

9.4.4.2 情報の入手方法には、次を含めなければならないが、これに限定するものではない。

a) 面談

b) プロセス及び活動の観察

c) 文書及び記録のレビュー

(規格の引用ここまで)

 

ISOマネジメントシステム認証に関わっている人なら「常識」ですが、現在、マネジメントシステムの監査は「リスクベースアプローチ」です。

ちなみに、「リスクベースアプローチ」と対照的なアプローチは、「ルールベースアプローチ」です。

私がマネジメントシステム審査に関わり始めた1990年代前半の多くの審査員は、「ルールベースアプローチ」でした。

当時、それは当然で、マネジメントシステム規格で、「○○を文書化すること」と規定しているのですから、審査員は、ある業務プロセスの文書化や文書に沿った活動を実施しているか、検証することが仕事でした。

 

しかし、「リスクベースアプローチ」になってからは、審査員は、「リスクを起点にて、効果的、かつ効率的に目的目標を達成しているか」を確認するようになり、「組織の手順書の確認」は、「組織が必要と判断したもの」をちらっと確認する審査スタイルに変りました。

 

つまり、マネジメントシステム規格自体から、規範的な要求事項が減り、組織は“リスクに基づく考え方”を実践し、組織が自らの製品・サービスやプロセス等に潜むリスク(目的達成に対する不確実さ)を検討して、組織にとっての最善策を自分で決める」ことになったので、審査では、それを確認するのが主体になったのです。

 

ただし、印象論ですが、「組織が規定した手順書の必要性、有効性」という観点では、審査員の検証は減ったように思います。

審査証拠の収集は、規格に規定されているように「面談(インタビュー、聞き取り)」、「プロセス及び活動の観察」、「文書及び記録のレビュー」ですが、現状は、「聞き取りと記録のレビュー」が主体です。

要は、「効率的、効果的、有効性が損なわれている組織の規定類」(例:この規定は本当に必要なの?このようなルールでいいの?)があったとしても、その検証は、マネジメントシステム審査の中では、あまり行われないように思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ839号より)
 

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