2023年4月16日付けの中国新聞が、
「教員免許持たぬ「社会人教員」の採用広がる 人員不足や長時間労働の解消へ」
という見出しの記事を報じていました。

 

記事によれば(※筆者が要約)

◆全国の教育委員会は、教員不足に対処するため、教員免許を持たない社会人の採用に力を入れている
◆広島、島根、鳥取の3県は対象教科を拡大し、山口県は免許取得費用を補助する制度を新設した

◆広島県は特別選考を高校の福祉科にも広げ、島根県は高校の情報科を追加し、鳥取県は中学・高校の家庭科と中学の技術科を加えた。

◆山口県は「教職チャレンジサポート特別選考」を新設し、合格者に2年間年26万円を上限に学費を補助する。
◆岡山県も中学・高校の英語などで同様の採用試験を実施。

◆全国的な教員不足が背景にあり、定年退職と長時間労働が若者の志望減につながっている。

◆広島県は採用説明会を開催し、現場経験と専門知識を持つ社会人の採用をアピールしている。

(引用ここまで)

 

この記事からは、「教員免許無し採用」の教員の給与面がどの程度の水準になるのかわかりませんが、仮に、時間給の講師並みの水準だとすると、「教員不足の真の問題解決」にはなっていないと思います。

 

教員不足の真の原因は、長時間労働に対する待遇面から、教職を志望する人が減ったからです。

全国の教育委員会が進めている「教員免許無し採用」は、「やりがい搾取に応じてくれる教員志望者」を採用するキャンペーンに映ります。

 

また、数年前に、教員不足から、科目免許を持たない高校教師が教科の授業を担当し、春休み返上で、生徒に補習を受けてもらうことになった問題が数多く発生していました。

 

私見ですが、当時、「正規の教科免許を持つ教師が教えたクラスの生徒」と「教科免許を持たない教師が教えたクラスの生徒」にテストを実施し、「大きな差異が無ければ、補修は不要」といった寛大な対応を、教育委員会は取るべきだったと思っています。

その時の対処と比較すると、今回の「免許無し採用」は、「教員免許を軽く見た扱い」に感じます。

 

ただ、社会経験を持った人材が「免許無し教員」になることは、福祉科や情報科、家庭科、技術科においては、特に生徒にとって「生きた授業」となり、有益だと思います。

 

しかし、繰り返しになりますが、そもそもは、正規教員の労働環境改善や非正規教員の待遇改善(正規雇用化)を、「教員免許無し採用」より先に実施するべきではないかと思います。
 

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