京都・保津川下りで、2023年3月28日に発生した転覆事故について、以下のことがわかっています。

 

・大人22人、子ども3人、船頭4人の計29名を乗せた船が、午前10時40分に乗船場を出発した

・大高瀬という強い流れの中、舵を担当していた船頭が制御を失い、船が軌道を外れ大きな岩に衝突、転覆した

・全員が川に落ち、心肺停止で病院に搬送された船頭は死亡し、もう1人の船頭は行方不明となった。他の乗客25人と2人の船員は無事だった。

・船の運航業者によると、船頭たちは船を操縦する役割が割り当てられ、舵を担当していた船頭のミスが原因で船が制御不能に陥り、舵を失った。

・運航業者は、救命胴衣が提供され、乗客に説明されたと述べたが、一部の乗客は十分な説明を受けていなかったと報告している。

・運航業者は、緊急事態やCOVID-19のために過去8年間、救助訓練を行っていないことを認めた。

 

結果論ですが、客観的には、

◆後方で舵を操縦していた船頭が空舵をして操船不能になった場合のリスク対応

◆船頭の救命胴衣は、手動式だった(乗客の救命胴衣は、自動式と手動式が半々)

◆救助訓練を8年間実施していなかった

点が、今後、運行再開に向けてのポイントになると思います。

 

事故の出発点は、後方の舵担当の船頭の「空舵」です。

ただ、「空舵」自体は、関係者は「あり得ない操船」といいますが、人間が実施する作業ですから、「ポカミス」は、ベテランの船頭でも、「有り得る」でしょう。

完全に防ぐには、「固定式舵の設置」や「舵の自動化」ですが、「昔ながらの船下りの風情」のためには、現状の方法を選択せざるを得ないと思います。

 

また、「8年間救助訓練を実施していない点」も、世間的には、「川下り船の運行会社の信頼感」という点で、大問題です。

ただ、乗客、船頭全員が川に落ちても、乗客は全員、助かった点から、今回の事故については、「救命胴衣」にポイントがあると私は考えます。

船頭が着用していた救命胴衣は、作業性の観点から、全て手動式だったそうです。

しかし、操船していた船頭は、船がコントロールを失った場合、必死に船を操船していますから、川に落ちた際に、手動で救命胴衣を膨らませ、セッティングすることは、難しいと思います。

したがって、結果論ですが、こういう点を考慮し、例えば、船頭が後ろ向きで落ちた場合の救命胴衣をスムーズに着衣できるかのどうかのテストなど、救助訓練を実施して、改善点を洗い出して見直すべきだったと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ848号より)
 

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