ISOマネジメントシステム審査では、審査対象の組織の業務内容に適した力量を有する審査員を審査に配置するルールになっています。

認証機関に要求される審査基準においては、以下の規定があります。

 

(以下、JIS Q 17021-1:2015規格より引用)

JIS Q 17021-1:2015 9.2.2.1.3

審査チームリーダー及び審査員に必要な知識及び技能は、審査員の指示の下で活動を行わなければならない技術専門家、翻訳者及び/又は通訳者によって補足されてもよい。

翻訳者又は通訳者を利用する場合は、必要以上に審査に影響を及ぼすことがない者を選定する。

注記 技術専門家の選定の基準は、ケース バイ ケースで審査チームの必要性及び審査範囲によって決定される。

(引用、ここまで)

 

つまり、一般論として、ISOマネジメントシステム審査において、審査チームに配置される審査員では、必要な力量が担保できない場合は、技術専門家を審査チームに加えて、審査を実施してよいルールなのです。

 

ただし、食品安全マネジメントシステム規格のひとつである「FSSC22000」では、以下の規定があります。

 

(以下、規格(FSSC22000 Ver.5.1パート4)より引用)

3.3 技術専門家

3) 技術専門家を活用する場合、CB は、チームのうち最低一人の審査員がそのカ

テゴリの資格を持つように配慮しなければならない。

(引用、ここまで)

 

つまり、「審査チームの審査員が一人も、審査対象組織に該当するカテゴリの力量がない場合、技術専門家を入れても、審査は成立しません」ということです。

 

食品安全マネジメントシステム審査の場合、品質や環境マネジメントシステム審査などと比較して、食品関連産業に認証を求める「世界食品安全イニシアチブ」(Global Food Safety Initiative:GFSI)が、審査員に対して、より高い専門性を要求しています。

そのため、品質や環境マネジメントシステムの場合は、審査経験回数やコンサルティング実績、関連する学歴や国家資格等により「力量有り」と認証機関が力量を認めることが可能ですが、食品の場合は、前提として、「食品産業における実務経験」がなければ、原則的に力量が付与されません。

 

現実的には、専門家を審査チームに参加させると、認証機関のコストが上がります。

また、専門家の報酬単価は、抑えられている傾向に有り、なり手が見つかりにくいことから、「審査員で審査チームの力量を担保して審査に訪問するケース」が殆どです。

ただし、このように、食品スキームの個別要求では、品質や環境などと異なる要求事項があるので、手順書を作成、見直しする際は、注意が必要なのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ831号より)
 

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