2023年3月24日のネットニュースで、24日放送の日本テレビ系の情報番組「スッキリ」で起きた「ペンギン池落下騒動」が話題になっていたので、YouTubeで放送映像を確認し、27日の番組冒頭の謝罪を見てみました。

 

以下に、27日の「スッキリ」での謝罪の様子をまとめてみました。

 

・24日の放送で起きた「ペンギン池落下」騒動について、27日の番組冒頭で謝罪した

・森圭介アナが、動物の安全性や衛生面への配慮が不足した危険な放送であったと説明した

・司会の加藤浩次氏も、自身が春日君に対して追い込んでしまったことを反省し、謝罪した

・また、那須どうぶつ王国の方々に不快な思いをさせ、迷惑がかかったことについても謝罪した

・24日は、春日俊彰氏が生中継で那須どうぶつ王国からペンギンのいる池で餌やり体験をした

・その生中継で、春日氏が、「お笑いのお約束」として、池に3回落ちるという出来事があった

・同園は公式ツイッターで「誠に遺憾」と声明を発表し、日テレに抗議したことを公表した

 

この日の謝罪の中では、「ペンギンのいない池に落ちる可能性は、園に事前に説明していた」とのことですが、それは、「番組側の言い訳だな」と感じました。

「ペンギンがいない池に、タレントが落ちる演出」では、「笑い」にならないし、番組側は、暗に「ペンギンに餌やりしながら、ペンギンが池にいない箇所に落ちてもいいですね」という意味で、園と打ち合せしたのでしょう。

しかし、放送後に、園が、日テレに抗議したことから想像すると、日テレが主張する「園と事前に打ち合せしていた」という点は、明らかに「認識にズレ」があったと思います。

 

司会の加藤氏は、番組スタッフから「園とは事前合意できていますから、春日さんを煽って下さい」といった連絡があったでしょうし、春日氏は、「お笑いの鉄則」で、「MCから振られたらそれに応じた」だけでしょう。

27日の冒頭の謝罪では、加藤氏は、謝罪の言葉を述べながらも頭は下げませんでした。

印象としては、「俺は、番組スタッフが、園と事前合意しているから、番組を盛り上げただけ」と内心では思っているように映りました。

 

ネットでは、司会の加藤氏をバッシングする声が圧倒的ですが、この問題は、そもそもは、日テレの「番組作りと園との打ち合せ・合意プロセス」に不備があったことが原因です。

そもそも、このコーナーは、「体験するコーナー」ですが、お笑いの春日氏を起用している時点で、「ハプニング」を狙っています。

しかし、朝の情報番組なので、「ハプニング演出」は必要ありません。

また、司会の加藤氏も、今の時代の視聴者ニーズを考えれば、「出演者を過激にイジる笑い」が、非難を浴びることは想像ができたはずで、「ペンギンがびっくりしちゃうから、池に落ちなくていいからね」と春日氏に指示をするべきだったでしょう。

 

月並みな感想ですが、日テレに限らず、テレビマンには、未だに、取材対象者に「取材してやっているんだぞ」という特権意識というか、「上から目線の意識」があるのでしょう。

今回の那須どうぶつ王国では、「ペンギン池」が騒動になっていますが、その後に中継した「オットセイの曲芸」の際も、加藤氏は、あわよくば、「オットセイのいる水槽に、春日よ、飛び込んでくれ」的な煽りがありました。

 

「とんねるず」の「体育会系お笑い」を見て育った昭和世代には、「暗黙の無茶ぶりに応じるタレントのリアクションがおもしろい」と思えることも、今の時代は、「身内で楽しんでいるだけじゃん」、「普通にレポートすればいいだけで、笑いは要らない」としか感じません。

「スッキリ」は、今週で丸17年間の放送が終了します。

時代の要請に合わないズレた感覚の番組作りなので、終了するのは遅かったと言えるのかもしれません。
 

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