2023年3月23日に、環境省と経済産業省は、賃貸アパート大手のレオパレス21に対して、家電リサイクル法に従って、交換したエアコンなどの家電を引き取るよう勧告しました。
3月23日付けのテレビ朝日の報道では、
・レオパレス21の社長が、記者会見を通じて、謝罪した
・家電リサイクル法では、小売業者は消費者から求められた場合、エアコンなど家電4品目を引き取る義務がある
・環境省によると、レオパレス21は家電家具付きの物件を扱う中で、2020年4月以降、およそ10万台の廃棄家電を引き取らず、設置業者などにそのまま引き渡していた
・環境省と経産省は、今後1年間の取り組み状況などを報告するよう求めた
ということです。
ご承知の方も多いと思いますが、家電リサイクル法では、小売業者の4つの義務を課しています。
4つの義務とは、
・排出者(消費者等)からの引取義務
・製造業者等への引渡義務
・収集運搬料金の公表・応答(リサイクル料金を含む)義務
・管理票(家電リサイクル券)の交付・管理・保管等義務
です。
つまり、レオパレス21は、「家電の小売業者」として、
・自らが過去に販売した対象機器
・買換えの際に引取りを求められた対象機器
については、消費者(物件所有者)からの「引取義務」が生じ、「指定取引場所」への「引渡義務」があるのです。
しかし、報道内容から想像すると、例えば、物件所有者が、エアコンを買い換える場合、レオパレス21は、設置業者に廃エアコンの処分を丸投げし、レオパレス21自体は、何もしなかったのでしょう。
おそらく、物件所有者にとって不要となった廃エアコン(この時点での所有権は、物件所有者)の所有権を設置業者に移し(有価物として物件所有者から所有権の移転)、設置業者が、廃家電の排出者となって、処理を行わせるスキームではないかと思います。
この手法について、経済産業省と環境省は、「不適切処理」と判断しましたが、個人的には、「真っ黒というよりグレー」な感じがします。
この場合、設置業者が、廃家電の「排出者」なので、設置業者が、「指定取引先」に、リサイクル料金を支払って、廃家電を持ち込めば、指定取引先から、家電リサイクルプラントに廃家電は流れるので、結果的には、家電リサイクル法が要求している処理ルートで処理されるからです。
レオパレス21としては、廃家電の所有権を設置業者に移すことで、物件所有者は、廃家電のリサイクル料金を支払わなくてすむので、物件所有者にいい顔ができ、実質的に設置業者に、家電処理を押しつけていたことになります。
現行法を「正攻法」で捉えれば、「家電小売業者としてのレオパレス21は、直接販売した物件所有者が、家電の買い換えをする時に、“引取義務”が生じるのに、設置業者に家電の所有権が移ったことを理由に、何もしていないじゃないか」=「不適切処理」ということかもしれません。
しかし、家電以外の廃棄物であれば、「設備メンテナンス業者に、交換する設備や部品の所有権が移った理屈にして、もともとの設備所有者は、廃棄物処理費用を支払っていない」ケースは、よくあるやり方です。
今回の経産省と環境省の是正勧告で、レオパレス21は、役所の監視下に置かれてるので、どうしようもありませんが、「家電付き物件」をレオパレス21が扱う場合、「家電」に関しては、「物件所有者への紹介」だけにして、「家電小売業者」としての看板を下ろし、家電自体は、物件所有者が直接、レオパレス21から紹介された家電業者から購入する仕組みにすれば、レオパレス21の「引取義務」は、なくなります。
今回、ニュースになったことで、世間一般には「また、レオパレス21か」と負のイメージがさらに付いてしまったと思いますが、家電リサイクル法の理念からすれば、最終的に、家電リサイクルプラントに渡り、再商品化のルートに乗れば、実質的になにも問題はないような気がします。
つまり、役所が決めた処理手続きに則っていない、という「役所の秩序やメンツ」だけで、不法投棄や不法処理などのリスクは殆どないと思います。
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