ISO認証制度においては、認証機関が「業務比率が少ないので省略します」という規定にすると、認定基準として、具合が悪いものがあります。

 

例えば、ISO/IEC 17021-1:2015の8.1.3 では、

“認証機関が依頼者又は市場に提供する情報は、広告を含めて、正確でなければならない。また、誤解を与えるものであってはならない。”

 

また、「8.3 認証の引用及びマークの使用」の8.3.1では、

“ (省略)、マーク又はその附帯文言に曖昧さがあってはならない。(以下省略)”

 

といった規定があります。

 

QMS、EMSについては、認定機関であるJABのWebサイトにおいて、「適合組織情報」として登録分野が39の産業分野で分類されていますが、認証範囲に、例えば、「卸売小売業(分野番号29)」を示す表記が含まれているのに、分野番号29が付与されていなければ、「×」です。

 

また、認証範囲が、その組織の事業の中で、業務比率がわずかな製品は対象外にしているにも関わらず、組織のWebサイトで、認証範囲について、限定された表明になっていなければ、「×」となります。

 

認証審査に配置する審査員の力量について、その審査員の力量とその組織の業務内容や審査上のリスクを考慮して、業務比率が低い事業プロセスや製品について該当する産業分野の力量を有していなくても審査に割り当てることができるケース(※理由を明確に記録しておく必要がある)はありますが、基本的には、業務比率が少ないから、省きました、という理屈は通らないでしょう。

(後編に続く)

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ823号より)
 

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