ISOマネジメントシステム認証の業界には、新型コロナによるパラダイムシフトがありました。

例を挙げれば、「遠隔審査(リモート審査)が日常的な審査方法になったこと」です。

また、認証機関の運営事務局の勤務形態の主流は「在宅」となり、審査員研修会も集合研修は、ほとんどなくなり「Web会議」システムを通じての開催となりました。

 

ただ、業態によっては、規格や認証機関の手順によって、全面的なリモート審査の実施は認められておらず、新型コロナ禍において、対面式の審査を受入れられない組織に対しては、「認証有効期限の6ヶ月間の延長」等の措置がありました。

 

サーベイランス審査においては、所定の期間内に審査を受審できない場合は、「認証の一時停止」等の措置が取られる仕組みになっています。

私が知る範囲では、不祥事等ではなく、新型コロナに伴う認証の一時停止措置を受けた多くの組織は、特別審査を実施して、一時停止が解除されているようです。

 

ちなみに、認定機関(JAB)が、2020年10月7日付で認証機関宛に公布した通知文書(20-認シス第0119 号:COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大に伴う対応について(改4))では、以下の規定があります。

 

(以下、JABの通知文書より引用)

2. 認証審査

IAF ID3:2011 3 項に則り対応をお願いいたします。

IAF ID3:2011 に基づいて、認証審査を文書や記録の確認、遠隔審査等の代替方法で実施すること、サーベイランスや再認証審査の延期、及び認証期限の延長が6 か月まで認められております。

6 か月を超える延長については、IAF/ILAC/APAC によるCOVID-19 対応の考え方及び

国際的な動向を考慮し、最大で元の審査期間及び有効期限から12 か月まで延長できる

ことを本協会の方針として認めます。

なお、別途、スキームオーナからの指示がある場合には、本協会はその指示に従います。

6 か月を超える延長についての条件等、詳細は以下のとおりです。

 

1) 6 か月を超える延長を認める条件

以下のa)、b)のいずれか又は両方に該当する場合に6 か月を超える延長を認める

a) 政府から緊急事態宣言 又は 移動制限(移動自粛要請を含む)が発出された場合

(いずれも地方自治体による発出は、原則として対象外とする)

b) 遠隔審査による認証審査が実施できない合理的な理由がある場合

(合理的な理由の例)認証組織において新型コロナウイルス感染症のクラスター

が発生し、認証組織が事業を一時停止したため。

 

2) 延長の期間と頻度

1 回あたり3 か月の延長を最大2 回まで認める

 

3) 延長後の審査

最長12 か月の延長に至った場合においても、所定の認証審査(サーベイランスを含

む)の回数は減じない

 

4) 延長した審査の確認

対象審査について、認定審査の定期審査(再審査またはサーベイランス)において、

本方針への整合を確認する。

 

(注記2.1)最長で12 か月までの延長は認められるが、その12 か月の間に再認証(の決定)ができなければ認証は取消しとなり、初回審査が必要となる。

(注記2.2)IAF Covid-19 のFAQ32 においては、通常のサーベイランスのID3 による6 か月の延長の起点となる日は、対象とするサーベイランスを含む認証サイクルの開始日又は開始月とする。これに基づき、サーベイランスの審査を延長できる期限は、再認証に続くサーベイランスでは上記起点から12 か月+6 か月、再認証後の2 回目のサーベイランスでは、起点から24 か月+6 か月とする。

(注記2.3)上記(注記2.2)の期限を超えた場合は一時停止となるが、その解除に当たっては、IAF Covid-19 のFAQ32 に基づき、マネジメントシステムの継続的な運用確認のた

めの特別審査を行わなければならない。

(特別審査の例) 0.5 人日以上の審査で、遠隔審査も可。

 

(通知文書の引用、ここまで)

 

認証機関が、注意が必要な点は、通知文書にも記載があるように、

・延長期限を超えた場合は、一時停止となる

・解除に当たっては、MSの継続的な運用確認のための特別審査を行う

ということです。

 

内部監査やマネジメントレビューの記録を組織から提出してもらい確認する等の方法で、認証機関として、「MSの継続的な運用確認」ができているといえないこともないと思います。

しかし、「リモート審査でもいいので特別審査を実施しなさい」ということは、要は、一時停止の解除にあたっては、「記録だけでなく、責任者や担当者への面談を含む確認が必要」ということです。

 

新型コロナ禍は、だいぶ落ち着いてきており、審査期限の延長例は減ってきていると思いますが、該当する組織と認証機関は、あらためて一時停止解除の手順を意識し、確認しておくことが必要でしょう。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ826号より)

【好評発売中!】

『事例で学ぶコンプライアンスⅠ』(トータルEメディア出版)

 

『できるビジネスマンのマネジメント本』(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】↓

(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html

(携帯でアクセスしている方)

http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html

Twitter:https://twitter.com/ariga9001