2023年1月29日に、白馬乗鞍岳で雪崩が発生し、バックカントリーでスキーをしていた外国人4人が巻き込まれました。
4人のうち、2人は救出されましたが、男性2人が死亡しました。
このニュースを知った当初は、
「外国人観光客が、当日の天候を考慮せずに、バックカントリースキーを楽しんだ末路かな」
と思いました。
しかし、亡くなった2人のうちの1人(アメリカ国籍)は、2015年のフリースタイルスキー世界選手権のチャンピオン(プロスキーヤー)で、スキー風景などの撮影について、長野県観光機構と契約していたことがわかり、「単なる観光旅行ではない」ことがわかりました。
各メディアの報道では、
・雪崩は、幅が30~40m程度で、それなりの規模だった
・雪崩で亡くなった男性は、プロスキーヤーのカイル・デイビッド・スメイン氏
・スメイン氏は、長野県観光機構の旅費の支援を前提に撮影に訪れていた
・長野県観光機構によると、風景や飲食などの写真の提供を受ける予定だった
・写真の提供対価として、1人750ドルを支払う契約をしていた
・スメイン氏は、1月25日から6日間の予定だった
・提供された写真は、県の観光PRに使う予定だった
・長野県観光機構は、スメイン氏の詳しい旅程については把握していなかった
ということです。
私見ですが、雪崩に関しては、「予測不可能」であるケースが多く、「不幸な事故」と捉えるべきでしょう。
また、スメイン氏と長野県観光機構は、「契約」により、双方にメリットが生まれるので、この「契約行為」自体は、通常の商取引でしょう。
ただ、一般論として、発注者側(長野県観光機構)は、「ゲレンデだけでなく、バックカントリーの写真も撮ってきて欲しい」と考えるでしょうし、受注者側(スメイン氏)は、「発注者の期待に応えた写真を撮りたい」と考えるので、「どちからに、無理が生じていなかったか」という点は、「契約書の内容」や「合意事項」、「免責事項」を含めて検証するべきでしょう。
報道では、スメイン氏への長野県観光機構からの報酬は「750ドル」なので、1ドル130円として、約10万円弱です。
つまり、スメイン氏からすれば、「長野県観光機構の仕事で儲けたい」というより、「日本でのバックカントリースキーを楽しむための宿泊移動費の足しにしたい」程度の感覚で引き受けた仕事だったのでしょう。
「亡くなったスキーヤーの写真を観光PRに使うとは何事だ」という人もいるのかもしれませんが、個人的には、スメイン氏が撮影した写真は、長野県の観光PR写真としてHPや反フレットに使用して、個人を偲んで欲しいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ840号より)
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