2023年1月12日に、医師の古川聡宇宙飛行士が、研究代表者を務めた医学研究にデータの捏造や改ざんなどがあった問題の記者会見が開かれました。

 

毎日新聞の報道によれば、

◆古川飛行士は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から戒告の懲戒処分を受けた

◆古川飛行士は指導的立場で不適切行為に直接関わっていなかった

◆問題となった研究は2016~17年に被験者42人を対象にストレスを調べた実験

◆研究者2人が存在しないデータを作成したり、評価をわざと書き換えたりした

◆古川飛行士は不適切行為の原因について、

-専門性の高い精神心理分野で、担当者を信頼しすぎた

-少ない人員で設定されたスケジュールを守ろうとした

-計画が未熟で、外部からの助言を真摯に受け止めなかった

と説明した

◆「研究者の資質と飛行士の資質は異なる」として、古川飛行士は、2023年度、ISSに2回目の長期滞在をする

◆JAXAは実験終了後の19年に研究が中止され論文発表されていないことを理由に、国のガイドラインの特定不正行為には該当しないと説明していた

◆JAXAの佐々木宏理事は、「説明が不足していた」と釈明した

・・・

ということです。

 

謝罪分や謝罪会見の基本形である「社長限界でしょ」で、記者会見をチェックすると、「謝罪、調査結果、原因、処分」については、触れられていますが、今後の「改善策(是正処置)」については、記者会見で語られなかった印象です。

また、記者会見の様子を動画で見ましたが、「精神心理分野の担当者を信頼しすぎた」とのコメントは、「俺には責任がない」と遠回しに言い訳しているような印象です。

 

私の想像ですが、古川飛行士は、研究責任者にはなっていますが、実質的には、研究助成金など研究予算を確保するために、ビッグネームである「古川飛行士を研究責任者にJAXAが仕立て上げた」のでしょう。

そもそも、2023年度のISSでの活動に対する適格性を記者に問われ、「研究者の資質と飛行士の資質は異なる」と主張しているのですから、逆に言えば「研究責任者としたJAXA」に問題があるのです。

 

つまり、古川飛行士の気持ちを代弁すれば、「予算取りのためにJAXAは俺を研究責任者にして、問題が発覚したから、責任者として、記者会見で説明させられて困惑している」といった感じではないかと思います。

 

それにしても、JAXAをはじめ、研究機関は、研究予算を国や民間企業からどうやって引っ張ってくるのかが、組織経営のポイントです。

「宇宙飛行士」を定期的に募集して採用していますが、これも「宇宙飛行士」という肩書きをJAXAが研究予算確保のために欲しいだけに過ぎないのではないか、と思います。

宇宙空間でしかできない実験や技術検証があるなら、実験テーマについて、NASAに委託した方が、効率がよいと思います。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ837号より)
 

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