仕事仲間での間で、最近、話題になっているのが、「法人名義の銀行口座」の「お客様情報の確認」です。

 

金融庁のWebサイトを確認すると「金融機関のマネロン対策にご協力ください」と題したページがあり、そこには、

 

(金融庁のサイトより引用)

! お使いの銀行などの金融機関から、手紙やはがきが届いていませんか?

金融機関ではマネロン対策のため、みなさまの情報を定期的に確認しています。

!「お客様情報確認」や「お取引目的確認」などと書かれていたら、開封・確認ください

! 届いた手紙・はがきへのご返信をお願いします

みなさまのご協力が次のような被害を防ぎ、くらしの安全・安心につながります。

(以下省略)

 

と案内されています。

 

また、一般社団法人全国銀行協会のWebサイトには、

(以下引用)

各銀行では、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の防止に力を入れています。

お客さまの情報やお取引の目的等の定期的な確認にご協力ください

(引用、ここまで)

とあります。

 

純然たる個人口座までは、この確認は、全ての口座において、現状は、実施されていないようですが、株式会社や合資会社、一般財団法人などの「法人」や開業届を出している「個人事業主」、○○協会、○○マンション管理組合、○○高校同窓会といった任意団体の口座には、金額の多寡にはかかわらず、確認が入っているようです。

 

お金の出し入れは、銀行サイドは、全てわかっているはずなので、例えば、年間1000万以上、かつ、1回の取引100万円以上に該当しない小規模の組織は、「リスク小」として、スルーして欲しいですが、例外なく「確認」しているようです。

私の知り合いに、仕事仲間の団体組織の会計責任者をされている方がいますが、その方曰く「うちのような会費収入が年間で20万円程度の口座まで確認の必要があるのか。面倒でなんとかならないか」と銀行に問い合わせしたそうですが、「ご協力お願いします」のいってんばりだった要です。

 

私が代表を務める法人には、銀行口座が2つありますが、詳細は省きますが、慣れない私には、面倒でした。

ただ、法人の場合は、「法人登記簿」があるので、確認事項(回答項目)は、たくさんあるものの、主な資料としては、登記簿の提出でなんとかなります。

(※ネックは、6ヶ月以内の登記簿という条件があり、手元にあった登記簿が9ヶ月ほど前のもので、無視して提出したら、再提出の指示が来ました)

 

しかし、任意団体は、組織図や組織の目的などを提出しないと、銀行サイドの「確認」は、終わらないようで、「とても、面倒だった」とぼやいていました。

 

確かに、口座を開設した時期が古く、口座開設がユルユルだった時代に開設した口座の定期確認の1回目は、「しっかり確認」すべきと思いますが、最近は、登記簿や定款、おおよその事業内容と売上などの資料を開設時に提出しており、その後は、銀行サイドが、「お金の入りと出」をチェックできるのだから、「大きな変化がある組織」のみをチェックすれば、済む話ではないかと思います。

 

それと、私の取引銀行の場合、回答は「ウェブ」か「書面」を選択できるのですが、ウェブが、非常に不親切なのです。

確認依頼の案内文書には、自社専用のQRコードが印字されているのですが、スマホでアクセスはできても、登記簿などの資料は、PCやクラウドに保存しているので、スマホからだと、保存場所にアクセスしづらいのです。

スマホでアクセスしたURLをPCメールに転送して、PCからアクセスして、提出資料をアップロードしましたが、不親切極まりないです。

 

金融庁、全国銀行協会、各銀行は、「マネーロンダリング防止対策をしっかりやっています」とアピールしたいのかもしれませんが、クレジットカードの利用状況の監視システムのように、取引状況をリスク分析して、「許容できる残留リスク」を決め、確認対象を絞るべきだと思います。

そうしなければ、双方で、無駄な作業が生じるだけです。

 

それにしても、この「お客様情報確認書」の文面や指示内容が、なんとなく、上から目線な文面なんです。

それにしても、私の場合、銀行からの借入金は、現在ないので、銀行口座は、ほぼ「売上と支払の決済口座」のみの役割です。つまり、振込み時は、手数料をばっちり取られ、利息は雀の涙なので、こうした確認作業について「銀行様、お疲れ様です」という気持ちより、「自分たちのリスク回避のために、善良な利用者を巻き込まないで欲しい」という気持ちの方がどうしても大きくなってしまいます。

「確認作業にご協力ありがとうございます」という発想は、銀行には、ないのかもしれません。
 

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