2022年12月27日付けのテレビ朝日のニュースが、
「中国産ゴボウ「青森産」とウソ 10年以上?…土まぶし細工 取引業者怒り「訴訟検討」」
という報道をしていました。
このニュースによれば、
◆産地偽装の疑いが指摘されているのは、鹿児島県の青果卸売業者「毛利商店」
◆疑惑は、10年以上にわたり、中国産のゴボウを国産とウソを付いていた
◆毛利商店は、中国産のごぼうに、バレないように輸入後に土をまぶすなどの細工をしていた
◆ごぼうが入った包装箱には、「新鮮 土付きごぼう」、「青森県産」と表示されている
◆これらのごぼうは、九州や四国の業者に卸されていた
◆毛利商店からごぼうを仕入れていた北九州青果は、訴訟を検討している
◆偽装されたごぼうは、現在、回収作業が進められている
・・・
とのことです。
私は、仕事で、ごぼうの加工工場を担当したことがあります。
その時の経験では、国産ごぼうと中国産ごぼうでは、あく抜き時間が全く違います。
つまり、ごぼうが一般消費者に販売されていたなら、産地偽装が、消費者から露見することはあまりないと思いますが、加工業者など、業務用として扱っている会社に販売されていたら、気づくと思います。
また、今の時代は、加工業者は、原料の産地偽装のチェック体制がしっかりしているので、毛利商店のごぼうを北九州青果経由で仕入れているならば、産地証明書の提出を製造業者は要求するので、すぐに偽装がバレたでしょう。
今回の偽装問題において、根本的な悪者は、毛利商店です。
しかし、毛利商店から仕入れていた北九州青果は、騙された立場なので、申し訳ないですが、厳しい言い方をすれば、「産地の管理をサボっていた」としかいえません。
エンドユーザーが、加工業者であれば、確実に産地証明書の提出を要求されていたはずですが、これほど長く偽装の事実を知らなかったと言うことは、エンドユーザーが一般消費者で、管理が甘かったからでしょう。
つまり、北九州青果自体も、仕入するごぼうに対して、産地偽装品を仕入れることなく、ちゃんと管理するべきだったと思います。
マネジメントシステムの観点で捉えると、毛利商店が、ISO22000やFSSC22000を取得していたなら、認証機関に確実にバレたでしょう。
特に、FSSC22000であれば、非通知審査という仕組みがあるので、土をまぶす工程は見つかるでしょうし、そもそも、産地証明書が用意できない(これも偽造する可能性はありますが)でしょう。
北九州青果が、ISO22000やFSSC22000に取り組んでた場合も、北九州青果は、卸売業ですから、認証機関の関心事は、仕入した野菜類の産地証明や残留農薬などの証明書類です。
したがって、北九州青果が認証に取組んでいたなら、すぐに偽装の事実が判明したでしょう。
ただ、現状、FSSC22000では、認証対象のフードチェーンカテゴリに「FI-小売及び卸売」がありますが、「F1」カテゴリで取得している会社は、ほとんどありません。
卸売業者の販売先が、食品製造会社やスーパーであれば、産地管理がしっかりしているので、偽装はすぐにわかると思いますが、10年以上に亘って欺けたということは、毛利商店が北九州青果に販売したごぼうは、どのような人たちが購入していたのだろう、と思います。
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