商品やサービス開発力がなくてもビジネスをする方法として、有名ブランドや店舗と「ライセンス契約」や「フランチャイズ契約」を結ぶ方法があります。

 

私は、出張が多いので、ビジネスホテルやコンビニエンスストアを日常的に利用しています。

当然ですが、ビジネスホテルやコンビニエンスストアは、直営店とフランチャイズ店があります。

利用者の立場では、直営店かフランチャイズかは、表面的にはわかりませんが、例えば、利用した際にポイントが付かず、オリジナル商品やサービスを扱っている場合は、フランチャイズであることが多いです。

 

自動車販売のディーラーもメーカーの完全子会社や地元資本主体の販売店などがあります。

日本においては、「それぞれの立場で、本部とフランチャイズは、仲良くやりましょう」というビジネス感覚が一部にはありますが、欧米企業においては、本部にとって、フランチャイズは、所詮、「植民地」です。

日本人の感覚からすると、「冷酷」ですが、世界的には、これが常識でしょう。

 

話は逸れますが、1990年代に、ISO認証ビジネスが右肩上がりで成長していた時代に、国内において認証機関が乱立しました。

私は、ある海外資本の国内審査会社(本部とは業務提携)の運営を手伝っていた時期がありますが、本部は、「この事業にうま味がある」とわかると、「これまで、どうもお疲れ様でした」と、これまでの国内での認知度や信頼性向上といった貢献度は無視して、ばっさりと切ります。

そして、自らが自己資本で会社を日本に設立するのです。

 

ISO認証の世界は、「認定機関から認定を授与される」ことで、事実上、ビジネスが成立します。

したがって、「認定を持たない審査の提携先や委託先」は、「契約を切られれば終わり」という関係性なのです。

 

当時、ある商社の幹部から、「例えば、資金を出すとしたら、もっと審査ビジネスを拡大できるか」と聞かれたことがあります。

私は、「ビジネスモデルとして、認証ビジネスは、認定を取得しない限り、営業マンや審査員を増やせば、事業は拡大できるが、それでも単なる審査委託会社だから、本部との契約が切れたら終わりです」と話したら、「では、認定を取ればいいのでは」と言われ、少し悩んだときがあります。

当時は、審査自体にやりがいを感じ、認証ビジネス自体を経営管理する側になるつもりはなかったので、その話しは流れてしまいました。

 

話題を元に戻しますが、コンビニの場合、「ブランド力がある店舗の新規進出の脅威」に対する防衛策として、直営資本が直接、ある地域に入り込んでくる前に、地元の同業有力企業が、本部とフランチャイズ契約をして、がちっと商圏を固めてしまう方法をとっています。

その他に、おそらくフランチャイズ契約をする際に、ある商圏で、直営本部が容易に出店できない契約を結んでいるのかもしれません。

 

一般的なこの手の話題だと、私の中では、2015年までバーバリーブランドを扱っていた国内大手アパレル「三陽商会」の業績低下が衝撃です。

長い間、主力のバーバリーで三陽商会は、大きな組織になりました。

また、日本国内独自のバーバリーブランドも立ち上げていましたが、結果的には、本部とのブランド戦略の違いから、バーバリーそのものものライセンス契約が終了してしまいました。

防衛策としては、日本にバーバリーの現地法人が設立されない仕組みにすることでしたが、それは、現実的には無理でしょう。

 

ライセンス契約やフランチャイズで生き延びるのは、「本部に高値で売却する」という方法か「独自のブランドでビジネスができる力を付ける」という方法を除けば、本部が、「うま味がない」と感じる「小さな商い」にするか、ある商圏には、直営店を原則出店しない、という方法しかないのかな、と思います。
 

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