2022年11月15日付けの「ITメディアオンライン」によると、ファミリーレストランの2大巨頭である「すかいらーくホールディングス」と「サイゼリヤ」の業績に明暗が分かれているそうです。
記事によれば、すかいらーくの今期の決算は赤字に転落する見通しである一方、サイゼリヤは、順調な回復を見せているそうです。
すかいらーくは、2022年12月期第2四半期決算が、
・売上高が1416億円(前年同期比11.8%増)
・税引前損失38億円(前年同期は19億円の損失)
となっており、顧客は徐々に戻って来ているが、赤字が拡大しているそうです。
赤字の理由は、原材料価格や光熱費の上昇などインフレの進行、閉店に伴う減損損失及び給与計算に関する臨時損失計上などで、通期の予測では、売上高は3120億円(前記の1.2倍)と上昇するが、20億円の赤字に転落する見通しで、約100店の閉店を予定しているそうです。
一方、サイゼリヤの22年8月期決算は、
・売上高1443億円(前年同期比14.0%増):コロナ前の水準
・経常利益は108億円(同211.8%増):2019年を上回っている
と利益率はコロナ前よりも向上しているそうです。
この違いの詳細な分析は、経済評論家や学者、経済誌記者に譲りますが、個人的な感覚としては、すかいらーくグループ(ガスト、ジョナサン、バーミヤン、しゃぶ葉、夢庵など)の主力である「ガスト」の価格が上がりすぎていることが不振の原因の一端にある気がします。
《参考》
主要ファミレス16社の店舗数(帝国データバンクによる)
・2019年12月期:9230店
・2022年6月期:8420店
私の記憶では、ガストは、現在は消滅した店舗ブランド「すかいらーく」の不採算店を「廉価版」のファミレスに切り替えたことが、ヒットになったのです。
30年以上前の学生時代にすかいらーくからガストに衣替えした店舗に、友人達と行きましたが、当時のスタッフさんの制服は、エプロンだけ着けて、下半身はジーンズ等ラフな格好で、今では当たり前の「ドリンクセルフサービス」に変っていました。
しかし、メニューの価格は安く「安く食事ができればいい」と考えていた学生時代の私たちは、すぐにファンになりました。
大人になって、おサイフに余裕ができたので、「メシでも食うか」となったときに、目の前に「ガスト」と「サイゼリヤ」があれば、私の場合、「価格よりその日の気分」で、店舗を選択します。
しかし、ガストで食事をすると、単品で食事が済ませられるメニューは少なく、スープや副菜メニューを付けるので、トータル的には、「そこそこの値段」(2000~2500円)になり、「リーズナブルに食事をすませる」には、不向きです。
一方、サイゼリヤは、ドリアかパスタと副菜1~2品、ドリンクバーかグラスワイン(100円)というメニュー選択でも、1000~1500円程度で済みます。
定食屋さんよりは価格的コストは上がってしまいますが、定食屋は、食べ終わったら、速やかに席を立たないといけない雰囲気がありますが、ファミレスは、短時間なら、パソコンを出して、仕事をすることもでき、定食屋の後に、場所を変えて、ドトールやベローチェに行くよりWi-Fiも使えて便利です。
すかいらーくがガストに衣替えした当時の印象が強い世代にとっては、「いまのガストは割高なレストラン」のイメージが定着してしまいました。
すかいらーくグループは、店舗ブランドが多数あるので、一概には言えないかもしれませんが、「ガスト」に関しては、メニュー構成や価格帯の見直しなど、リブランドする必要があるように、思います。
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