2022年11月2日に、自民党の議員連盟「全国新幹線ネットワーク整備財源を考える会」が発足したそうです。
マスメディアの報道によれば、この「全国新幹線ネットワーク整備財源を考える会」の目的は、建設が予定されている整備新幹線の区間に加え、四国や山陰など全国に新幹線網を広げるための財源を議論し、推進をめざすことだそうです。
新幹線建設に関する「日本の仕組み」について、おさらいをしたいと思います。
新幹線建設の法律的根拠は、1970年に定められた「全国新幹線鉄道整備法(全幹法)」です。
この「全幹法」では、新幹線の建設について、
・国土交通大臣が「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線」の基本計画を決定する
・基本計画に続いて「整備計画」を決定し、建設を指示する
という流れが決められています。
ちなみに、現時点で、「基本計画」と「整備計画」、「整備計画(建設中)」は、以下の通りです。
《基本計画》
・長万部-室蘭-札幌-旭川
・新青森-秋田-新潟-北陸新幹線に接続
・秋田-山形-福島
・新大阪-徳島-高松-松山-大分-熊本
・博多-大分-宮崎-鹿児島中央
・松江-岡山-高知
・新大阪-鳥取-松江-新下関
《整備計画》
・敦賀-新大阪
・新鳥栖-武雄温泉
《整備計画:建設中》
・新函館北斗-札幌
・金沢-敦賀
・武雄温泉-長崎(※2022年9月23日に西九州新幹線として開業)
《番外》
・中央新幹線(リニア)(東京-名古屋-大阪)
私は、プライベートの鉄道旅行が好きで、出張は可能な限り飛行機より新幹線が好きなので、
整備計画路線はもちろん、基本計画路線の全てが誕生したら、夢のようだな、とわくわくします。
しかし、現実的な視点で捉えると、あくまでも感覚的な私見ですが、北海道の「長万部-室蘭-札幌-旭川」は、在来線特急で時間、輸送量ともに十分です。
東北地方についても、秋田、山形は、在来線を利用した「ミニ新幹線」があるので、「福島-山形-秋田」は、「あったら便利だけど、建設・維持コスト面を考えたら無くてもいいかな」と思います。
西日本については、「山陰と山陽、四国を縦に繋ぐ新幹線がない」という現状を考えると「松江-岡山-高松-高知」のルートは、あると便利だと思います。
しかし、その場合は、「大阪-鳥取-松江」ルートの必要性が下がるように思います。
首都圏在住者目線だと、直接、地方空港に航空路線があるので、新幹線建設の必要性が薄いと思います。
しかし、例えば、札幌市民の場合、首都圏(羽田)、東海(中部国際)、関西(伊丹、関空、神戸)、九州(福岡)には、直行便がありますが、地方空港には、羽田空港等を経由しなければならないので、大阪から四国、大分に向かう新幹線や大阪あるいは岡山から松江や鳥取に向かう新幹線があると便利だな、と思います。
しかし、月並みな意見ですが、
・人口減少
・建設資材の高騰など建設費用
・建設後の維持コスト
・リモートワークの普及
・・・
といった状況を考えると、仮に、無理して建設しても、新幹線路線を維持するだけの旅客数の確保は、現実的に難しく、巨額の赤字を毎年垂れ流すことになると思います。
今回設立された自民党の議員連盟は、地方選出の自民党議員の有権者からの求心力維持が目的と化し、現実的には、整備計画路線の建設で「原則、新幹線建設は打ち止め」になるように思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ827号より)
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