2022年10月20日に、プロ野球のドラフト会議が開催されました。
今年のドラフトは「不作」と言われてきました。
例年だと、マスメディアが「ビッグスリー」などとドラフトの注目選手を取り上げる記事が目立ちます。
記憶に新しいビッグスリー(高校生)は、
・2021年 小園健太(市和歌山)、森木大智(高知)、風間球打(明桜)
・2019年 佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星陵)、西純矢(創志学園)
・2018年 根尾昂(大阪桐蔭)、藤原恭大(大阪桐蔭)、小園海斗(報徳学園)
といった感じです。
しかし、今年は、こうした「目玉選手」がほとんどいませんでした。
2022年ドラフトの特徴は、ドラフト前日までに、ドラフト史上最多の9球団が「1位指名を公表」したことです。
事前公表しなかった3球団について、DeNAは、大阪桐蔭の松尾汐恩捕手を単独指名し、阪神は、ジャイアンツが事前公表していた高松商業の浅野翔吾外野手と指名が被り、千葉ロッテは、楽天が事前公表していた立教大学の荘司康誠投手と指名が被りました。
指名が被った2球団は、いずれも、事前公表していたジャイアンツ、楽天がクジを引き当てたので、当事者の選手の立場なら、事前に手を挙げてくれた球団に決まって嬉しかったのかもしれません。
それにしても、個人的には、今年のドラフトは「春夏の甲子園大会や大学選手権で活躍した比較的名前が売れている選手がドラフト上位指名されず、あるいは、育成ドラフトにもかからなかった」という印象です。
甲子園で活躍した選手の代表格は、近江の山田陽翔投手。
3年生の春は準優勝、夏はベスト4、甲子園通算11勝を上げていますが、西武5位指名でした。
また、2018年は、春夏甲子園の優勝校である大阪桐蔭から根尾昂、藤原恭大、柿木蓮、横川凱と4選手が指名されましたが、今年は、大阪桐蔭からは、DeNAが1位指名した松尾汐恩捕手以外は、春の優勝投手、川原嗣貴投手と主砲の海老根優大外野手など下馬評が高かった選手は指名なしでした。
しかも、大阪桐蔭は、「根尾世代」の立教大の山田健太内野手と早稲田大の中川卓也内野手も指名されませんでした。
メディアでは、「大阪桐蔭の選手はプロで大成しない」ことが理由ではないかと分析しています。
確かに、大阪桐蔭出身者は、中村剛也選手(2001年西武2位)、西岡剛選手(2002年ロッテ1位)と活躍しましたが、近年は、2013年に西武に1位指名された森友哉捕手ぐらいしか大成していません。
それと、近年のドラフトの特徴として、全国的には無名の高校や大学からドラフト指名があることです。
今年は、ソフトバンクが1位指名した誉高校のイヒネ・イツア内野手や中日が1位指名した沖縄大の仲地礼亜投手でしょう。
ちなみに、沖縄の大学からのプロ入りは初だそうです。
プロを目指す野球選手の場合は、高校3年生、大学4年生、社会人2年目(または3年目)という節目の年に結果を出さなければ、なかなかプロから声は掛かりません。
つまり、世間一般の社会人より「旬の時期」が限定されています。
しかし、ドラフトを見ていると「今の時代は、昔と違って、必ずしも甲子園大会や大学選手権に出場しなくてもプロで通用する高い技術を磨けば、プロ球団のスカウトは秘かに注目して声が掛かる」のです。
要は、高校で注目されず、地方大学に進学しても、チャンスはあるのです。
育成出身で、大成した選手の代表格はソフトバンクの千賀滉大投手や甲斐拓也捕手ですが、今年のドラフト下位指名選手、育成指名選手など、全国的には無名の選手が一軍で活躍する日を楽しみにしたいと思います。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ825号より)
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