2022年10月16日に、「第1回東京レガシーハーフマラソン」が「国立競技場をスタートゴールとして開催されました。

この初開催の大会で話題になったのが、2021年に開催された2020東京パラリンピック女子マラソン(視覚障害T12)で、金メダルを獲得した道下美里選手(45=三井住友海上)の「幻の世界記録」です。

 

道下さんの障害クラスの視覚障害者の現在の世界記録は、1時間25分台ですが、道下選手は、1時間23分34秒でフィニッシュした。

しかし、伴走者が先にゴールラインを通過した規定違反のために「失格」となってしまいました。

 

ルール的には、報道されているとおりですし、 ゴール後に伴走していた志田淳さんが、「全部伴走者のせいです。私がミスリードしてしまったのがすべて」と責任を背負い、当事者の道下選手も「こういうこともあります」と、いつもの「みっちゃんスマイル」でパートナーをかばったことで、「しょうがない」という状況にはなっています。

 

しかし、私は、この件をネットニュースで知って、ゴール直前の関連動画をいくつかチェックしましたが、大会運営側の配慮が足りなかったのでは、と思います。

 

各メディアの報道では、レースディレクターの早野忠昭氏が、「原因究明中。どちらに原因があったとしても、再発がないようしていきたい」と述べ、主催者の東京マラソン財団は「ルールに照らして、公正に判断されたと認識しております」との見解を文書で発表したそうです。

個人攻撃をするつもりは毛頭ないですが、早野さんのコメントは、印象として、ガイドランナーに責任を押し付けているようで残念です。

 

私自身も視覚障害者の方と一緒のマラソン大会で出場した経験は数多いですが、これらの大会は、多くが健常者と同一大会で、しかも今大会は、多様性を謳い男女混合レースです。

しかし、道下さんがゴールした1時間23分台といえば男子市民ランナーが大勢ゴールする時間帯です。

たいていの大会では、視覚障害者の優勝者のゴールテープは、ラストの直線では外側に設定されています。

また、メディア情報では、スタート前にはゴール位置が決まっていなかったようで、トラックに入って志田さんは、内側に設定されたゴールテープに向かうように指示されたそうです。

 

マラソンを走ったことがある人ならわかりますが、誰しも、トラックがゴールの場合、内側を走り、ゴール付近の内側は渋滞します。

道下さんと志田さんのゴール付近の映像を見ると、外側を走っていたのに、内側に設定されたゴールに向かうために、走路を外側から内側にクロスし、逆に、一般ランナーは、内側を走っていたのに、道下さん向けのゴールが内側に設定され、そのゴールテープを切るまいと内側から外側にクロスして走るランナーが多く見られました。

 

大会主催者側は、ゴールの状況をみながら臨機応変な対応をとった旨の考えだったようですが、ガイドランナーの志田さんが、他のランナーを気にしながら走っていたのは、明らかで、世界記録より速く走っていたこともあり、道下さんより少しだけ(1~2歩)早くゴールするような凡ミスを犯しやすい状況だったことは明らかです。

 

つまり、月並みな意見ですが、大会運営側は、もっとブラインドランナーの立場に立って運営してもらいたかった「レガシーハーフマラソン」だったと思います。

ゴールを担当した係員の認識、視聴覚障害者に対する事前のゴール説明や大会運営などの各運営プロセスについて、しっかり検証して、再発防止して欲しいと思います。

 

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