北海道内で4店舗を展開する「ジョイフルエーケー」というホームセンターがあります。
2001年に、北海道の上場企業である住宅建築資材総合商社のキムラが主体となり、大手ホームセンターのジョイフル本田と「ビバホーム」などを運営するアークランドサカモトの共同出資(現在の持ち株比率は、キムラ:70%、ジョイフル本田:15%、アークランドサカモト:15%)で設立された会社です。
このジョイフルエーケーの特徴は、現代の小売りビジネスのセオリーでない点です。
ジョイフルエーケーは、販売方針として「お客様に無駄なことはさせない」と「お客様に満足してもらうために効率的でないことをする」を掲げているそうです。
具体的には、
・ネジなどまとめ売りが基本の商品を1個単位でバラ売りする
・販売実績が少ない「餅つき用の臼と杵」や「ところてん押出器」を在庫として持つ
といった具合です。
しかし、この「効率の悪さ」が、消費者には、「ジョイフルエーケーに行けば何でも揃う」という特色になっています。
4店舗全体で、1年間の来客数は440万人。平均、1店舗あたり100万人以上の来客があるのはすごいことだと思います。
そして、当初は、「ネジ1個」を買いに来たつもりが、ついで買いにつながり、結果として売上も増加しているわけです。
確かに「これが欲しい」と欲しいものが決まっている場合は、「ネット通販」で十分です。
しかし、実際にモノを見ながら品定めすることにリアル店舗の強みがあるので、敢えて「売れ筋以外のモノも在庫として揃える」という戦略でうまくいっているのでしょう。
話しは変って、10月15日にNHKで放送された「探検ファクトリー」では、現在放送中の朝ドラの舞台と同じ東大阪にある「盛光SCM」という照明器具やダイカスト部品のメーカーが取り上げられていました。
現在の社長さん(草場寛子氏)は、48歳の女性社長ですが、先代の事業を受け継いだのが35歳の時で、その2年後に「危機」がやってきたそうです。
危機となったのは、東日本大震災。この震災をきっかけに、省エネ思考になり、盛光SCMは、大手照明器具メーカーのOEM製品を作っていたのですが、元請メーカーがLED開発に出遅れたことにより、生産量(受注量)が落ち込んだそうです。
そこで、「下請け体質からの脱却」を掲げ、自社ブランドの照明器具(業務用)を開発するようになったそうです。
テレビでは、現在、自社ブランドの売上げが30%ほどになったということでした。
個人的に気になったのは、盛光SCMは、2020年にISO9001を返上していること。
おそらく、ISO9001は、当初、大手照明器具との取引上、必要だったのかもしれませんが、自社開発商品が増え、ISO認証の必要性が薄れたのかもしれません。
また、テレビを見る範囲では、パワフルな社長さんなので、ISO審査を通じて「学びがなかった」とメリットを感じなかったのかもしれません。
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