鉄道の運休や遅れが、この25年間で倍増しているそうです。

 

2022年8月27日付の産経新聞によると、

◆30分以上の列車の遅れや運休などの鉄道の「輸送障害」の件数が25年間で倍増した

◆「ゲリラ豪雨」が増えるなど、災害が激甚化していることが背景にあると見られる

◆国交省によると、輸送障害は昨年度、全国で6409件発生し、過去最多を更新した

◆1996年度の輸送障害は「2986件」なので、この25年間でほぼ倍増した

◆輸送障害の約3割が、台風や降雪、地震などの災害が原因となっている

◆台風など災害は、1996年度は810件だったが、2021年度は1930件と倍以上になった

◆気象庁によると、1時間降水量が50ミリ以上の豪雨の年間発生回数は増加傾向にある

◆2012年から2021年までの10年間の「50ミリ以上オ豪雨」は平均で約327回/年

◆JR各社が実施した鉄道橋の緊急調査では、緊急工事が必要な橋はなかった

◆ただし、53カ所で豪雨時などに被災につながる恐れのある変状が確認された

・・・

ということです。

 

確かに、この記事で主張されるように、「災害による列車の運休や遅れの増加」と「ゲリラ豪雨などの増加」は因果関係があるでしょう。

「なぜゲリラ豪雨の発生は多いのか」、「線状降水帯は昔より発生しやすいのか、またそれはなぜか」などについて、私にはわかりませんが、感覚的には、50年単位で時代を捉えれば、「災害の激甚化につながる豪雨は増えている」と思います。

 

しかし、大手新聞が記事にするのですから、「なんらかの主張」や「世論の誘導」があると考えると、私は、

【現状】:災害が激甚化している

【結論】:1)橋梁などのインフラの整備が必要

2)災害による復旧コストが運用コストに見合わない地方路線はバス転換すべき

ということを産経新聞は、いいたいのかな、と思いました。

うがった見方ですが、国土交通省とタッグを組んだ記事かもしれません。

 

感覚的で恐縮ですが、私の学生時代に比べたら、列車の運休や遅れは格段に増えた気がします。

また、記事では、「災害による運休や遅れが倍増した」とありますが、北海道で暮らしているとわかりますが、最近は、天候被害を受ける前にリスク回避の意味で「運休」しているケースも多いように感じます。

 

また、よく、鉄道を利用していて列車の遅れ原因としてアナウンスで耳にするのは「線路内への立入り」です。

統計上、線路内の立入りに含まれているかわかりませんが、防犯カメラや監視カメラの設置により、線路内に人や動物が確認されると、安全確認するまで運転を停止します。

以前なら、こうした監視カメラも少なかったでしょうから、撮り鉄や鹿などが線路内に立入っても気づかなかったでしょう。

さらに、痴漢(を疑われた人を含む)で線路内に逃げ出すケースもあるでしょう。

 

また、現代社会は「リスクとコストを考慮する時代」ですから、「あとでメディアや市民に非難されるぐらいなら、運行させるより、運休やダイヤを遅らせて、安全策を取る方が得策」という考え方が強くなったことが「運休・遅れの増大」につながっていることもあるでしょう。

 

そう考えると、この産経新聞の記事の考察は、浅い。。。というかある主張をするために書かれた記事のように感じます。

要は、「列車の運休・遅れの増大」→「災害の甚大化」→「橋梁などインフラ整備や地方路線の整理が必要」という図式を形成することが、この記事の意図として隠されているような気が私はします。
 

【好評発売中!】

事例で学ぶコンプライアンスⅠ』

(トータルEメディア出版)

事例で学ぶコンプライアンス Ⅰ | TEM出版書店 (total-e-media.jp)

事例で学ぶコンプライアンス | 有賀正彦 |本 | 通販 | Amazon

 

『できるビジネスマンのマネジメント本』

(玄武書房)

https://www.amazon.co.jp/dp/4909566066/

 

【よかったらメルマガ読者登録お願いします♪】
(パソコンでアクセスしている方)

http://www.mag2.com/m/0000218071.html
(携帯でアクセスしている方)
http://mobile.mag2.com/mm/0000218071.html
Twitter:https://twitter.com/ariga9001