(前編からの続き)

審査で適合性の証拠の確認は、「インタビュー、現場の観察、文書記録の確認」で実施することが原則で、つまり、ICTを利用しなければ、審査は、現地における聞き取り、現場観察および紙媒体による確認ということになります。

 

しかし、現実的には、パソコンやビデオカメラ、携帯端末などは、もはや、日常的な媒体です。

例えば、「この記録は、紙にはしていないので、パソコンで確認して下さい」、「この緊急事態の訓練風景は、写真や動画で保存しているのでデータで確認して下さい」といったやり取りについて「ICT利用」という認識は薄いでしょう。

 

したがって、MD4の「4.2.2:ICT利用の希望があった場合は、必要なインフラがあるか確認しなさい」、「4.2.6:審査報告書では、ICT利用の有効性について示すこと」と規定されていても、上記のようなICT利用については、事前にインフラのチェックや報告書への記載は実施していないと思います。

 

プロセス要求事項の規定をしっかり運用するべきなのは、「テレビ会議」や「審査に重要なプロセスの録画データによる検証」、「審査におけるドローン利用」の場合でしょう。

コロナ禍以降、テレビ会議システムを審査で活用するのは、日常的になりました。

 

ただ、私のこれまでの経験では、事前に通信インフラやソフトウエア、操作方法等を双方(監査側、被監査側)で確認していても、プチトラブルはあります。

具体的には、「通信障害」、「テレビ会議システムの画面モード、音声モード設定上のトラブル」、「停電によるWi-Fi設備の遮断」などにより、審査計画より、5~15分遅滞した、といったことはしばしばあります。

 

したがって、「4.2.6:審査報告書では、ICT利用の有効性について示すこと」は、「テレビ会議システム利用の場合」なら、

・どのような場面で利用したのか

・訪問審査時と同等の審査が実施できたか

・審査の有効性に影響はなかったか

といったことについて、審査報告書で言及しておくことが必要なのです。

(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ807号より)

 

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